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データ・アプリケーション 中堅企業向けEAIを提供

2002/07/15 16:24

週刊BCN 2002年07月15日vol.949掲載

 ソフト開発のデータ・アプリケーション(橋本慶太社長)は、中堅企業向けのEAI(エンタープライズ・アプリケーション・インテグレーション)の立ち上げに力を入れる。EAIは、ウェブメソッド、シービヨンド、IBM、マイクロソフトのビズトークなど外国勢に加え、NTTソフトウェア、日立製作所など国内大手ベンダー10数社が参入する激戦区。同社では、従来の10分の1(数百万-数千万円程度)の価格で導入できる中堅企業向けのEAIを中心に、ミドル市場でのシェア拡大を目指す。

EDIのノウハウ生かす

 EAIとは、メインフレームやオフコンなど、互換性が低いシステムをEAIサーバーを介して統合的に操作するアーキテクチャ。国内では「まだトップ100社程度しか導入していない」(橋本社長)という。価格も数千万-数億円単位の高価なシステムだった。同社では、製造業や流通業向けEDI(電子データ交換)の開発を手がけており、この技術を元に独自のEAI「ACMS EAI」を開発した。

 同社の売上構成比は、UNIX系のソフト開発が全体の7割、PCサーバー系が2割、汎用機やオフコン系が1割。このうちEAI関連の売上比率はまだ数%。

 橋本社長は、「EDIやEAIなどの電子データ交換系システムは、国や業種によって通信プロトコルが異なる。外国産のシステムをそのまま国内に持ち込んでも、すぐに動かないケースが多い。当社では、国内EDI市場で蓄積したノウハウを応用することで導入期間を短縮し、実務に即したEAIを構築する」と話す。

 今年度(2003年3月期)の売り上げは、前年度比11%増の10億円。税引き前利益は前年度並みの1億5000万円。EAI事業担当の武田好修・常務取締役ACMS統括事業部長は、「ここ2年分の利益は、今後本格的に立ち上がるEAIや既存アプリケーションのJava化の開発費用にあてる。EAIの需要は、今は大手企業中心。だが、今後は中堅企業の需要が急拡大する。このタイミングで国産EAIを切り口にシェア拡大を目指す」と鼻息が荒い。

 同社のACMSは、もともとEDIシステムとして開発してきた。「ACMS EAI」は、既存のEDIシステムのEAI版。 橋本社長は、「社内アプリ統合のEAIと、社外向けデータ交換のEDIは、いずれ統合するだろう。当社は、EDIとEAIの両方を手がけており、今後の統合過程でも優位性を発揮する」と意気込む。

 「ACMS」シリーズは、住友商事が昨年12月末に全社的なアプリ統合およびEDIシステムとして採用を決定。今年4月から開発に着手し、来年1月に稼働する予定。データ・アプリケーションが、対外向けに「ACMS EAI」製品として営業を始めたのは今年5月末から。主にシステム販社を経由して販売する。
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