独ベルテルスマンへの身売り交渉が決裂したとの内容とともに幹部の総退社が報じられたナップスターは、一転して身売り条件が合意に至ったこと、また幹部の新たな業務への復帰とともに、ベルテルスマンの傘下として有料データコンテンツ配信のサービスを今後も継続していくことを発表した。

　身売り交渉がいったん決裂したことで、倒産もしくは破産などの結末が現実的選択とならざるを得なくなっていたナップスターは、今回の合意によって、今後の企業運営への道筋をようやく確保したことになる。

　しかし、さじを投げたナップスター側の決意をもった行動に、ベルテルスマン側が折れて相手側の言い分を飲んだという流れが、今回の交渉の背景には見てとれる。

　ナップスターがもっている膨大な数の顧客リストに強い関心を示してきたベルテルスマンだが、ナップスターの人的経営基盤を崩壊させてまで、自社側の主張を通すことはできなかったようだ。