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ヤフーの有料ゲームサービス ネット利用の起死回生策?
2002/04/15 16:15
週刊BCN 2002年04月15日vol.937掲載
ヤフーが有料ゲームサービスを提供というニュースを聞いて「やっぱりね」というシリコンバレーの住人達は多い。ここ数か月、同社は無料のオンラインゲームのプロモーションを積極的に行っていることを知っているからである。
このプロモーションの結果、9万人から10万人は常時ゲームにアクセスしているということもあって、ヤフー側も評判は良かったと見たのであろう。金の卵を孵して、売り上げにつなげようという考えのようである。
同社が今回発表したのは、「ヤフー!ゲームズ・オールスター」というサービス。これは、単にヤフーが用意したゲームで遊べるというだけでなく、参加者が自分のゲームルームを導入したり、トーナメントを開催するなどのことが可能になっている。
ゲームに関する情報を交換できるチャットルームの開設ができるのも、ユーザーにとっては大きい魅力である。気になる料金は月額で7.95ドル。また、3か月契約の場合は19.95ドル、そして1年契約の場合は59.95ドルと割安になるシステムを導入している。なお、今しばらくは「おためし期間」ということで、無料でエントリーすることができる。
ちなみに、今話題になっているのが、この有料ゲームサービスの開始について、ヤフーは勝因がどこにあると見たのか、という点。
アメリカには、日本で見るようなゲームセンターがあまりない。しかし、家庭向けゲームのユーザー数は確実に増えている。プレイステーションやゲームボーイなども若年層にしっかり浸透している。
ネットのコミュニティに入ることで、全米中のゲームマニアたちとバラエティに富んだゲームを楽しめるというのなら、一度試してみようか、と考えるユーザーも多いのでは、という話が何度か出た。
またゲーム機をわざわざ買わなくても、わずかな料金で楽しめるのがいいというコンピュータエンジニアもいる。
一方で、今まで無料だったものが有料になったことでユーザーが離れてしまわないか、という意見もある。
いずれにしても今回のヤフーの発表には、シリコンバレー在住の人間が勇気づけられたであろう。米国では、ネットサービスの低迷が続いている。そんななか、ヤフーはフロンティア精神を忘れず、次々に新しいサービスを提供し続けているからである。インターネットのメディアリーダーとしてたゆみない努力を続ける同社を見て、1995年から96年頃のシリコンバレースピリットを思い出すという者も少なくない。(飯田仁子)
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