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ニューズウォッチ フレッシュアイの物販事業を全面見直しへ

2002/03/25 11:00

幅広いユーザー層を狙う

 フレッシュアイを4月1日付で吸収合併するニューズウォッチ(金田直之社長=写真)は、フレッシュアイが手掛ける物販(EC)事業を全面的に見直す。金田社長は、「情報価値を高める事業を主軸に据える。物販はこの路線から外れる」と、同事業の縮小を検討する。赤字が続くフレッシュアイは、ほかにも「収益構造が明確でない」サービスがあり、吸収を契機に事業全体を見直す。

 フレッシュアイの社員数は25人だが、ニューズウォッチでは半分の13人を引き取る。残りの社員は、親会社である東芝や電通などに戻るか退職する。ニューズウォッチ自体の社員数は29人で、4月からの新体制では合計42人になる見通し。吸収合併後も東芝が8割以上の株式を保有する。

 ニューズウォッチは、昨年度(2001年3月期)に単年黒字を達成。しかし、「主な収益源がニュースクリップの配信のみ。この事業だけで株式の上場を目指すのは困難。フレッシュアイを吸収することで、法人から個人の領域までカバーする幅広いサービスをつくり直す」(金田社長)と話す。両社は、自然言語処理技術を中核にしたネット企業で、技術的に共通する点が多いことから合併に踏み切った。

 一方、フレッシュアイは、バナー広告が主な収益。00年6月に「ドットブランド」の名称で物販事業を始め、「3年後に50億円の売り上げ」を計画したが失敗。今回の吸収合併では、検索など言語処理に経営資源を集中させるため、物販など「中核から外れる」事業については全面的に見直す。バナー広告もただ単にページビューに依存するのではなく、配信対象を絞り込むなど属性を重視する。

 合併してから3年後には、最低でも年商20-30億円の達成が経営目標。「成長しないベンチャー企業を東芝が抱える意味はない。東芝の看板や販路をうまく活用し、単独ベンチャーではマネができない急成長を短期間で実現する」と意気込む。

 ニューズウォッチは、100紙誌を超える媒体からニュースクリップを集め、独自の絞り込み技術を使い、分野別にニュースを1万2000人の利用者へ配信している。フレッシュアイの運用方法は、「第2四半期(02年7-9月期)までに決める」方針。
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外部リンク

http://www.newswatch.co.jp/