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インフォテリアなど3社 コンタクトXMLを共同開発 ユーザーの利便性高まる

2002/01/21 16:06

週刊BCN 2002年01月21日vol.925掲載

 インフォテリア(平野洋一郎社長)とクレオ(大谷武彦社長)、イー・ブリッジ(石橋愼一郎社長)の3社は、異なるアプリケーション間でコンタクト情報を記述・交換するための基礎的XMLフォーマットを提供する新仕様「ContactXML(コンタクトXML)」を共同開発した。クレオでは、ハガキ作成ソフト「筆まめ」に「コンタクトXML」を採用する。「コンタクトXML」がさまざまな製品で採用されることになれば、製品を活用するユーザーの利便性がさらに高まりそうだ。

 「コンタクトXML」は、電話番号や住所など、ビジネスで必要な連絡先を記述するための標準的なXMLボキャブラリとして開発され、シンプルなデータ交換からインターネット上でのサービス連携までを実現する新しいXMLフォーマットだ。

 「コンタクトXML」を利用することは、「宛名管理ソフト間のデータ移行」、「名刺情報の一元化および共有」、「ビジネスシーンにおける担当者情報の電子的な交換」、「合併・分社などにおける動的人事管理」、「イベントやeコマースサイトでの個人情報提供の簡略化」、「医療、保険などの申請手続きの簡略化」などのメリットをもたらす。

 インフォテリアの平野社長は、「コンタクト情報は、システムを限定せずにデータをやり取りできることが重要。XMLは、汎用度が高い分野に採用することにより、さらに普及していく」と強調する。

 クレオでは、年間70万本前後の出荷で国内トップシェアの実績をもつ「筆まめ」を「コンタクトXML」に対応させていく。クレオの大森俊樹・常務執行役員プロダクトサービス事業部長は、「筆まめを活用している個人ユーザーから、住所録やそれに付随する情報を添付して簡単にファイル交換したいという要望が高まっている」としており、さらにユーザーの利便性を追求した製品を開発していく。「今春には、ネット上で既存の筆まめをコンタクトXMLに対応させるためのダウンロードサービスを提供する」計画だ。

 ハガキ作成ソフト市場は、年末商戦や夏商戦などに需要が拡大するという特性をもつが、一方で成熟した市場であるとの見方もある。そのため、ハガキ作成ソフト各社のシェア争いは、成熟した市場のなかでパイの奪い合いが繰り広げられている状況だ。

 ハガキ作成ソフトを「コンタクトXML」に対応させることは、システムやデータの管理形態に依存しないコンタクト情報の交流環境が実現し、名刺管理ソフトやメールソフト、個人情報管理ツールなどのデータ連携を容易にする。

 これにより、クレオでは「年賀状作成ソフトの枠を超えた新しいサービス展開が図れる」(大森常務執行役員・プロダクトサービス事業部長)としている。同社のインターネットサービス「筆まめネット」との連携も強化することで、付加価値を高めていく構えでいる。

 「コンタクトXML」は、標準化に向け仕様を公開している。3社は、同時に標準化プロジェクト「ContactXML.org」を設立。「コンタクトXML」を活用するベンダーやユーザーを幅広く募り普及を推進していく。ベンダーやユーザーは、「ContactXML.org」に登録することで「コンタクトXML」の仕様を無償で使用することができる。

 インフォテリアの平野社長は、「多くのベンダーがコンタクトXMLを採用することで、顧客に対し、利便性が高いサービスを提供できるだろう」と分析する。

 同社では、1月24日に第1回目の「ContactXML.org研究会」を開催し、「コンタクトXML」の普及を促す。
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