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オリンパス光学工業 デジタルカメラ事業を再編
2002/01/14 16:06
週刊BCN 2002年01月14日vol.924掲載
今回の削減策は、中国・広東省深セン工場にある銀塩カメラの生産面積を3割圧縮し、空いた場所で量産型デジカメの生産を始める。一方、国内の生産拠点である(1)オリンパス光学工業の辰野事業場(長野県上伊那郡)、(2)オリンパス光電子の東京事業場(東京都調布市)、(3)大町オリンパス(長野県大町市)、(4)坂城オリンパス(長野県埴科郡坂城町)の4か所を統廃合する。
製造を委託している三洋電機との関係は、「ビジネスの採算性の枠内で、取り引きを続ける」方針。
また、販売会社のオリンパスプロマーケティング(旧・オリンパス販売)のデジカメ営業をオリンパス本体に移管し、同部門約200人を本体に吸収。製販を一体化することで営業効率を高める。「人減らしなどのリストラは予定していない」という。一連の施策により、最大10%のコスト削減を目指す。
同時に、流通の効率化による在庫圧縮にも取り組む。現在、欧米などで3.5-4か月ある在庫期間を2か月以内にする。国内は、すでに2か月以内を達成している。
オリンパスのデジカメ部門は、今年度見通しで1350億円(前年度比26.5%増)を売り上げる好調ぶり。銀塩カメラの売り上げ見通し615億円と比べ、デジカメは突出している。
だが、採算面では銀塩カメラの営業黒字に対し、デジカメは112億円の営業赤字となる見通し。
これについて、デジカメ営業を担当する小島佑介執行役員映像営業本部長は、「価格競争が激しく、売価を下げざるを得なかった」と話す。
製造を担当する小宮上席執行役員は、「小島(本部長)が売り上げを伸ばし、私が利益を出す。製造コストを下げないと、いくら小島が売っても利益が出ない。来年度(03年3月期)はデジカメ部門で、大幅ではないが黒字を出せるよう努力する」としている。
デジカメ市場は、オリンパスと富士写真フイルムの2強に収斂するかに見えたが、ここにきてキヤノン、ソニー、ニコン、カシオがシェアを伸ばし、松下電器産業も独ライカと提携して事業の立ち上げを図るなど、再び混戦模様になっている。
01年12月(月次)の各社のシェアは、富士写真フイルムが台数シェア19.8%(金額シェア17.6%)、オリンパスが同16.5%(同17.0%)、キヤノンが同16.1%(同19.9%)、ソニーが同15.0%(同21.1%)、ニコンが同6.4%(同7.7%)、カシオが同4.7%(同2.6%)、松下電器が同2.3%(同2.7%)と競争が激化している。
各社ともデジカメには力を入れており、どこがトップシェアを獲ってもおかしくない状況だ。
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