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情報処理振興事業協会 12月のウイルス被害、過去最高の可能性 月間3000件超える見通し
2002/01/07 16:06
週刊BCN 2002年01月07日vol.923掲載
IPAが半月間の集計値を発表するのは異例。それだけウイルスが急速な勢いで蔓延していることを示している。
12月は、クリスマスメールや年賀状メールなどが増加する時期。「ウイルス付のメールが紛れ込みやすく、なかには、時節の挨拶に見せかけた新種のウイルスが出現する可能性もある」(IPAセキュリティセンター)。ここにきて感染力の強いウイルスが登場しているだけに、警戒を呼びかけている。
12月14日までの段階で届け出件数が多いのが、11月から猛威を奮い始めているバッドトランス。すでに1570件の届け出がある。新種のウイルスの届け出件数では、アリズの1020件を早くも超えている。
バッドトランスは、昨年5月に発見されており、いったんは沈静化した。今回蔓延しているのは、亜種で、インターネットエクスプローラのセキュリティホールを悪用する特徴が加わった。
従来のウイルスは、添付ファイルを開かない限り感染しなかった。バッドトランスは、メールの本文を見ただけで感染するほか、アウトルックエクスプレスのプレビュー画面に表示しただけでも感染する。感染すると、アドレス帳などの宛先にウイルスを添付したメールを送付する。キーボードで入力した履歴をそのまま第3者に送信する亜種もあり、パスワードやクレジットカード番号の漏洩の危険性も指摘されている。
こうした感染力が強いウイルスは、今後も登場する可能性が強いとして、今年は、こうしたウイルスへの対策を強化するように呼びかけている。
具体的には、不容易にプレビュー画面に表示しないこと、不審なメールの削除方法を「ファイル」メニューから行うこと、といった対策のほかに、ワクチンソフトを常に最新版にすること、ウィンドウズ利用者は、ウィンドウズアップデートを利用して、パッチを当てておくことなどの対策が必要だ。
昨年12月14日までの年間累計届け出件数は2万2516件と、前年の1万1109件の2倍規模に達している。年間および12月の届け出件数の集計値は、1月上旬に同協会から発表される。
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