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世界に類を見ない強みでビジネスを伸ばす
NTTデータグループ 代表取締役社長
佐々木 裕
取材・文/安藤章司 撮影/大星直輝
2025/01/06 09:00
週刊BCN 2025年01月06日vol.2043掲載
(取材・文/安藤章司 写真/大星直輝)
20年足らずで世界トップ集団に
――25年、新しい年を迎えるに当たり、まずはNTTデータグループの世界市場における現在の立ち位置を教えてください。当社は世界第6位のポジションにあると認識しています。欧米発祥のコンサルティング系SIerやクラウドベンダー、インド系SIerなどが上位陣を占めており、純粋なSIerだけに絞ると5位以内に入ったとみています。
当社が海外事業に本格的に乗り出したのは05年からで、当時から「将来的に世界5番手のSIerになる」と目標を掲げていました。あれから20年近くの時間がたって目標に到達したというより、ようやく世界のトップベンダーと伍していけるスタートラインに立てたと言うべきでしょう。むしろここからが本当の勝負です。
――ライバルと比べてどのあたりがNTTデータグループの強みとなるでしょうか。
日本発祥のSIerであり、国内ユーザー企業の非常に高い品質要求に応えてきた実績と実力を備えている点が大きな強みとなります。「つくる力」や「実装力」と言い換えることもできます。国内にいると当たり前に感じている品質要求だとしても、海外では相当高い水準にあると自負しており、この強みをどの国や地域に行っても発揮でき、国内と同等の高品質なサービスを均質的に提供し続けることを重視していきます。
もう一つは、NTTコミュニケーションズの海外DC事業の流れを汲むNTT Ltd.(NTTリミテッド)を22年に傘下に収めたことで、DC事業で世界第3位のシェアを持つに至っています。欧米発祥のDC専業ベンダーがトップ集団を形成する中、SIerである当社がここに加わる意義は非常に大きいと手応えを感じています。
当初はSIビジネスとDCビジネスは相乗効果が薄いとの意見を投資家からいただくこともありましたが、生成AIの台頭で計算資源の確保が重要課題として急浮上したこともあり、今ではそうした意見はほとんど聞かれなくなりました。システム設計から実装、計算資源の提供まで一気通貫で行える、世界でも類を見ない事業ポートフォリオを持つことができました。
――NTTグループ全体を見渡せば、次世代通信基盤のIOWN構想などNTTデータグループのビジネスでも活用できそうな技術要素が少なからずありそうです。
IOWNを構成する主要な技術分野の一つとして、端末処理までを含む通信ネットワーク全体を光技術に置き換え、超高速、低消費電力、低遅延伝送を実現する「オールフォトニクス・ネットワーク(APN)」があるのですが、例えば、遠隔地にあるDC同士をAPNでつなぐことで、あたかも近隣のDCかのように使える用途を想定しています。NTTグループ全体でみれば複数の研究所を抱えており、APNのような新技術をSIやDCビジネスに応用できることも、通信ネットワークで「つなぐ力」を持つテレコムグループの当社が国際競争で勝ち残る重要な要素です。
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- 海外DCに1.5兆円余り投資へ
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