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SIとプロダクトの価値循環で成長
エクサウィザーズ 代表取締役社長
春田 真
取材・文/安藤章司 撮影/馬場磨貴
2024/12/16 09:00
週刊BCN 2024年12月16日vol.2041掲載
(取材・文/安藤章司 写真/馬場磨貴)
「ぐるぐるモデル」を確立
――業績好調の見通しですが、何が奏功したのでしょうか。当社はユーザー企業が抱えるそれぞれの業務課題をAIで解決する個別SIの事業と、独自のAIプロダクト事業の二つが事業の柱で、前者が売り上げ全体をけん引して増益効果を生み出しつつ、後者の稼ぐ力も高まってきたことが本年度の黒字転換の見込みとなった主な要因です。
――御社のビジネスモデルはAIに特化したSIerのようなイメージでしょうか。
当社は広く社会全般の課題を解決することを志向しており、個別SIだけでは限界があると感じていました。このため16年の創業時から独自プロダクトを横展開していくことで、産業全般や社会全体の汎用的な課題を解決する手法を重視しています。
とはいえ、創業当時は生成AIもまだ一般化しておらず、その前段階の深層学習モデルが脚光を浴びていた時代です。いきなりプロダクトだけで勝負するにはハードルが高いため、まずは個別ユーザーの業務課題をAIでどのように解決するかという点からスタートし、そこから横展開できそうな部分を切り出してプロダクト創出につなげました。
顧客ごとの課題を解決するアプローチと、そこで蓄積したデータ活用の知見やAIアルゴリズムを応用することで汎用的な課題解決につなげ、それを個別SIに活用する価値循環を繰り返すビジネスモデルを確立。私はそれをAIの「ぐるぐるモデル」と呼んで定着させ、成長につなげてきました。
――ディー・エヌ・エーを辞めて起業した経緯を教えてください。
新卒で住友銀行(現三井住友銀行)に入行して、しばらくたった1995年に企画部門に異動し、新規事業の立ち上げを担当することになったのですが、それ以来、約30年にわたって新規事業の立ち上げに関わっています。当時、ベンチャー企業だったディー・エヌ・エーでも新しいビジネスに挑戦する仕事でしたが、その後、役職がついて現場から少し離れてしまったこともあり、AI領域で新しい事業を立ち上げようと起業する道を選びました。
起業した16年当時でも深層学習モデルを使ったビジネスは普通にありましたし、顧客の関心も高く、運よく人材や資金も調達でき、創業5年目にして東京証券取引所マザーズ市場(現東証グロース市場)に上場を果たしています。
- 生成AIユーザーは670社余りに
- 人が伴走して説得力を高める
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