KeyPerson
社会基盤と中堅・中小企業向けビジネスに焦点
NTT西日本 代表取締役社長 社長執行役員
北村亮太
取材・文/安藤章司 撮影/大星直輝
2024/11/04 09:00
週刊BCN 2024年11月04日vol.2036掲載
脱レガシー、成長事業へシフト
――トップに就任して半年余り、まずはどういった経営方針で臨んできたのかお話しいただけますか。当社は固定回線系の通信キャリアですので、まずは主力の光サービスを拡大させ、従来型の音声電話やISDNなどのレガシー系のサービスから着実に移行させること。次に通信やデジタルを切り口とした社会基盤や地域のビジネスを伸ばし、より大きな成長事業へと育てるとともに、顧客体験の向上とコスト競争力の強化を柱にして経営のかじ取りをしてきました。
私の考えを全社員に伝えるため、就任直後から2カ月ほどかけて当社の30ある支店の全てに出向いて社員との対話を行ってきました。基本的な経営方針などはあらかじめビデオに撮って共有しましたので、対面ではもっぱら質疑応答に時間を使い、900件余りの質問に答えました。うち80件は改善要望が含まれていて「会社をもっと良くしたい」「新しい事業に挑戦したい」といった熱意がひしひしと伝わってきました。
――ITソリューション事業の注力分野について教えてください。
大きく二つあり、一つは自治体や教育、医療など社会基盤の領域、もう一つは地域の中堅・中小企業向けのビジネスです。
社会基盤の領域では、当社の強みである通信ネットワークの技術を生かして、複数の自治体を網羅する広域データ連携基盤の構築案件を有力分野に位置付けています。都市には病院や学校、観光、交通、決済、エネルギー、防災などさまざまな機能がありますが、ここから得られた情報をデータ連携基盤に集約し、行政や民間で共有して、より大きな価値や質の高い住民サービスにつなげる“都市OS”ビジネスに取り組んでいます。
データ連携基盤ビジネスについては、西日本地域で既に約10の自治体に納入実績があります。その中に大阪府が中心となって運営する「大阪広域データ連携基盤(ORDEN)」も含まれており、当社が大阪府の事業を受託する立場でお手伝いをさせていただいています。興味深いのは府内の市町村のみならず、他府県からも広域でデータ連携基盤を共同利用するORDEN構想に関心を持つ自治体が増えている点です。
――広域でデータ連携が容易になれば、データの蓄積や分析を通じて業務変革や、新しい価値の創造で大いに役立ちそうです。
当社も大阪府の事業を受託する立場で、広域での共用化に関する研究会や勉強会のお手伝いをさせていただいており、直近では40ほどの自治体が参加する規模に拡大しています。データ連携基盤を活用する上でどういったことが必要なのか、自治体参加者のお手伝いを通じ、当社も都市OSづくりの知見を得ながら活動を支えていきます。
将来的には次世代光通信ネットワークのIOWN技術を応用して、大容量化するデータを低消費電力、低遅延で高速転送可能なデータ連携基盤を実現していきます。
- 営業・専門人材をIT分野へ投入
- 地域の情報発信の重要性を痛感
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