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民需開拓を推進し、新規顧客300社余りを獲得
日興通信 代表取締役社長
鈴木範夫
取材・文/安藤章司 撮影/大星直輝
2024/10/28 09:00
週刊BCN 2024年10月28日vol.2035掲載
(取材・文/安藤章司 写真/大星直輝)
4000社の再訪問を可能にする
――3カ年中期経営計画が大詰めを迎えています。どのような成果が得られましたか。今中計では、「民間顧客の倍増」と「クラウド対応の強化」を旗印に取り組んできました。いきなり民間顧客向けの売り上げを2倍にしたり、物販をやめてクラウドに全面移行したりするのは無茶なので、今中計で将来の方向性を定めて、その基礎づくりをするという位置づけです。
当社は、伝統的に官庁・自治体や公立学校、農業協同組合など公益団体に強いSIerで、純粋な民需は昨年度で言うと、売上高全体の3割程度にとどまっています。官需に強いのは当社の特色であり、優位性でもありますが、その一方で国内産業の活性化、とりわけ地方の民需を盛り上げていくには、近年のクラウド・デジタル化を強力に後押ししていくことが重要な役割だと捉え、民間顧客の倍増とクラウド強化の指針を掲げました。
――民間顧客をどのようにして増やしましたか。
全国の支社と支店で顧客接点の強化を実施し、今中計のスタートからこれまでの2年半余りで再訪問可能な民間顧客およそ4000社を開拓してきました。再訪問可能とは“門前払い”ではなく、「ITで何か困ったことがあったら声を掛けるよ」「また営業に来ても構わないよ」と言ってくださった顧客で、実際、こうした顧客のうち300社余りと新規に取引を始めることができました。今中計スタート時の既存顧客数が約3000社でしたので、現時点ですでに300社余りの顧客数を上乗せできています。
――新規の顧客開拓でエピソードを教えてください。
例えば名古屋は首都圏と関西圏に次ぐ大きな民需市場があるにも関わらず、当社の売り上げ規模はあまり大きくありませんでした。全社の営業部門で各営業担当者が1日4件の顧客と接点を持つ目標を掲げて実行しており、名古屋支店では営業部門長から課長、新入社員に至るまでこれを実行し、再訪問可能な民間顧客の多くを開拓することができました。
名古屋支店の動きを見ていると、ただやみくもに訪問するのではなく、工業団地や業種業態に焦点を当てた非常に戦略的な動きをして、顧客がより具体的な話を聞きたいそぶりを見せれば、次回訪問時に技術者を同行させて商談を具体化させています。営業組織の幹部らが率先して範を見せることで、若手社員が失敗を恐れず営業に打ち込める雰囲気づくりがうまくできたと感じています。
- 全社で変化適応の能力を高める
- 次期は数値目標の設定も視野に
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