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KeyPerson

セキュリティーでDXをサポート

フォーティネットジャパン 社長執行役員

与沢和紀

取材・文/岩田晃久 撮影/大星直輝

2024/08/05 09:00

与沢和紀

週刊BCN 2024年08月05日vol.2025掲載

 フォーティネットジャパンは、次世代ファイアウォール「FortiGate」を多くの中小企業に導入するなどして成長を遂げてきた。2023年7月にトップに就任した与沢和紀社長は、新たな顧客セグメントの開拓や、幅広い製品ポートフォリオを生かした統合管理によるセキュリティー対策の強化などに取り組み成長を加速させていく考えだ。企業のDX推進をサイバー攻撃で止めないため、セキュリティーから日本のDXをサポートしていく。
(取材・文/岩田晃久  写真/大星直)

顧客セグメントの拡大に取り組む

――長くセキュリティーに携わっていますが、フォーティネットにはどういった印象を持たれていましたか。

 私がサイバーセキュリティーに携わるようになってすぐに、ケン・ジー(フォーティネットのケン・ジー会長兼CEO)と知り合う機会がありました。彼ととても気が合い、良い関係を築けたことで、社長就任の声がかかりました。

 これまでのキャリアの中で、フォーティネットの競合製品も数多く扱ってきましたが、(フォーティネットは)とても素直な会社だという印象があり、事業に対する姿勢や方向性に同意できたことが社長就任の理由です。

――社長就任後はどのようなことを強化されてきたのでしょうか。

 当社は、FortiGateが多くの中小企業で利用されており、高いシェアを誇ります。しかし、FortiGateだけでは、今後、2桁成長を望めないタイミングが来ます。そのため、まずは顧客セグメントの拡大に取り組んでおり、官公庁、病院、教育、そして大手企業のお客様に当社製品を利用してもらえるよう営業を強化しています。

 また、FortiGate以外にも、エンドポイントやクラウド、OTなどさまざまな環境向けのセキュリティー製品、スイッチ製品、さらにセキュリティーサービスなど、50以上のポートフォリオがあります。ここまでそろえている競合他社はいないと思いますので、これらの製品をお客様に提案していくことで、十分に成長できる余地があると見ています。

――組織の強みはどういった部分になりますか。

 外資系企業らしく、営業やマーケティング、SEのほぼ全員が入社前に他社で経験を積んでおり、豊富な知識があります。セキュリティー以外の業界から転職してきた社員も飲み込みが早い。複雑で説明が大変な製品群のため、今日説明をして、来週に受注できるわけではありませんし、特に大手企業や官公庁になると導入までにかなりの時間を要しますが、社員が頑張ってくれているので、確実に導入が進み、勢いがついてきています。

――与沢社長のキャリアでは初の外資系企業になります。働き方に変化はありますか。

 そこまで大きくは変わっていません。前職は大手企業でしたので、社内プロセスや法的な考え方が分かっているため、(大手企業の顧客に対して)親近感を持って話すことができます。加えて、さまざまなセキュリティーベンダーの製品を扱ってきたので、「あの会社の製品は非常に良いものですが、運用が難しいですよね」といった話をすると、非常に盛り上がります。

 私は、最初に製品の売り込みはしません。大手を中心に国内企業のDXへの取り組みが進んでいるので、セキュリティーに限定せずに何に困っているのかを聞くようにしています。そういったかたちで話をしていると、例えば、A社とB社の製品を組み合わせて実現していることを、当社なら単独で実現できるといった面を分かってもらえるなど、互いの理解を深めることができます。サイバー攻撃を100%止めるとは間違っても申し上げられませんが、攻撃された際に、とにかく短時間で気づいて、被害を発生させない、発生しても最小限で抑えるのが重要です。当社の多くの製品を活用して、国内企業のDXの取り組みをサポートしていきたいですね。
この記事の続き >>
  • OSが共通の製品群とAI活用を訴求
  • ネットワークとセキュリティーを融合

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外部リンク

フォーティネットジャパン=https://www.fortinet.com/jp