KeyPerson
デジタルコモンズの「ど真ん中に」
BIPROGY 代表取締役社長CEO・CHO
齊藤 昇
取材・文/藤岡堯 撮影/大星直輝
2024/07/29 09:00
週刊BCN 2024年07月29日vol.2024掲載
(取材・文/藤岡 堯 写真/大星直輝)
サービスへの転換は「まだ足りない」
――社長に就任されて3カ月ほどが過ぎました。これまでも代表権は持たれていましたが、トップになられた心境はいかがでしょうか。今までは代表権はありながらも、CEOがおり、何事も相談しながら進めてきましたが、今度は相談される側となって「後ろはいない」という気持ちもあり、責任の重さがあります。
就任から少したち、ペースはだいぶつかめたなというところです。いろいろなお客様のトップへあいさつに伺い、社長として取り組みたいこと、当社への期待などをお聞きしました。お客様からは、シンプルに顧客目線で話をしてほしいという気持ちが感じられました。
われわれはデジタルコモンズを提唱していますが、ときに抽象度が高くなり、お客様が理解するまでに時間がかかる面もあり、そういった部分でわかりやすく説明してほしいのだと思います。そこで、事例を含め、われわれが目指すところ、取り組んでいることをお話しするようにしています。それと同時に、お客様の環境を理解しなければならないという思いも新たにしています。
――ビジネスの現状はどう受け止めていますか。
2024年3月期は3カ年の経営方針の終わりを迎え、業績としては元々の計画値はクリアし、目指していたところに着けました。それに加え、ここ数年われわれがフォーカスしている業種・業態、領域に関して、非常に良い事例が多く生まれてきました。提案を評価していただき、新しいお客様になった企業もたくさんいらっしゃいます。このムーブメントは続けていかなければなりません。
また、サービスをどんどん出していくことも目指しています。従来型のSIから、新しいサービスに変える部分については、まだまだ足りません。お客様にうまく使っていただけるサービスをさらに提供したいです。
このためにはいくつかの要素があります。サービス自体のブラッシュアップが一番ですが、お客様やその業界を理解し、何が必要とされているのかを、企画やエンジニアのメンバーを含め、しっかりと把握することが重要です。この力をグループ社員が身につけてくれれば、非常に頼もしくなるのではないでしょうか。
──経営方針の話がありました。前期の実績については、どう評価していますか。
定量面で言えば、今ほど申し上げた通りの(良い)成績となったということが一つ言えるところです。それを達成した社員全員を誇りに思いますし、賞賛したいです。ただ、30年のビジョンである「デジタルコモンズを誰もが幸せに暮らせる社会づくりを推進するしくみに育てる」ことに対して、定性的にどこまでできているのかという見方をしなければなりません。そのビジョンの実現に向け、多様なステークホルダーと一緒に取り組み、そのど真ん中で引っ張り、重要な役割を担える社員になれるかが大切です。
その点がこの3年間でどこまでできたか。ビジネスマネージャーを育成するなど、進んだ点もある一方で、全員ができているわけではありません。加えて、新型コロナ禍という大変な時期があって、コミュニケーションが難しくなり、全員が同じ方向を向いているかというと、まだ足りない面があります。
当社では「ROLES」(ロールズ)という概念を制定しています。目指す人材像に近づくための指標のようなもので、上司と部下が議論しながらつくります。そういうことをやってはいるものの、「自分ができているのか」という点は、さまざまな見方があり、難しい面もあるでしょう。ただ、絶えず自分自身を評価し、自律的に「自分はできているか」と問いかけながら仕事をしてほしい。そうしなければ成長はないと感じています。
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