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現金処理機の安定稼働で重要な役割を果たす

OKIクロステック 代表取締役社長執行役員

冨澤博志

取材・文/安藤章司 撮影/馬場磨貴

2024/07/22 09:00

冨澤博志

週刊BCN 2024年07月22日vol.2023掲載

 OKIグループで保守運用サービスを担うOKIクロステックは、7月から全国で本格稼働を始めた新札対応の現金処理機の安定稼働に大きな役割を果たしている。銀行ATMやセルフレジ、券売機などさまざまな分野で現金処理機は使われており、全国約180カ所の拠点網をフルに生かして安定稼働を支える。保守運用サービスを通じて顧客の信頼を勝ち取るとともに、OKIグループの主要なリカーリング(継続収益)ビジネスを支える重要な役割も担う。近年では医療機器や、電気自動車向けの充電設備の保守運用など独自領域への進出にも果敢に取り組んでいる。
(取材・文/安藤章司  写真/馬場磨貴)

保守運用で信用を勝ち取る

――7月から新紙幣が流通し始め、新札対応の現金処理機の稼働も本格化しています。現金処理機はOKIグループが強みとしている製品で、その保守運用を担うOKIクロステックの仕事はまさにこれから本格化する見通しです。

 メカトロニクス製品は現場で実際に動かしてみないことには、正しく動作するかどうか分からないところがありますので、全国をカバーする当社の約180の保守運用の拠点をフルに生かして安定稼働に努めています。

――先日、OKIグループの役員懇談会の席上で、OKIの社長(森孝廣社長)が7月に現金処理機の保守運用を指揮する対策本部を240人体制で立ち上げたと話していました。「納入してからが本番」という強い意気込みを感じました。OKIクロステックが実質的な“実働部隊”だと伺っています。

 現金処理機の設計製造の過程で新札サンプルを使った動作試験をメーカー内で何度も行っていますが、それでも新札が市中に出回ったあとの汚れ具合、折れ曲がり具合で想定外のことも考えられます。OKIグループの保守運用を担う会社として、メーカーと密に連携して対応しています。現金処理機は、銀行ATMや小売店のレジ、出納機など現金を扱うさまざまな機械に組み込まれており、現場で本稼働した後も全国サポート網を駆使してしっかり保守運用を行うことで、ユーザー企業からの信頼を勝ち取っていく所存です。

――ほかにどのような製品の保守運用を手掛けていますか。

 一番ボリュームが大きいのは、OKI本体のエンタープライズソリューション事業セグメントが手掛けている銀行ATMや現金処理機で、次がOKIパブリックソリューション事業セグメントが担っている自治体向けの防災無線や高速道路で料金を徴収するETC(電子料金収受システム)、航空管制、ほかにはOKIコンポーネントプロダクト事業セグメントのプリンターやPBX(構内電話交換機)などが主要製品です。OKIグループ以外に向けた当社独自ビジネスとしてIT機器の保守運用、電気工事なども請け負っています。

 直近の売上高構成比をざっくり申し上げると、OKIクロステック売上高全体のうちOKIグループ連携ビジネスが7割、外部顧客向けビジネスが3割を占めています。OKIグループ関連の売上高では、エンタープライズソリューション事業セグメント関連が約60%、パブリックソリューション事業セグメントとコンポーネントプロダクト事業セグメントがそれぞれ約20%を占めるイメージです。
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外部リンク

OKIクロステック=https://www.oki-oxt.jp/