KeyPerson

IoTのグローバル基盤に

ソラコム 代表取締役社長CEO

玉川 憲

取材・文/堀 茜 撮影/大星直輝

2024/07/15 09:00

玉川 憲

週刊BCN 2024年07月15日vol.2022掲載

 IoTプラットフォーム「SORACOM」を展開するソラコムは2024年3月、東証グロース市場に新規上場(IPO)を果たした。あらゆるモノをネットワークにつなぐ基礎インフラとしてSORACOMを広げていくことを目指し、グローバル展開を加速、パートナーとの協業も強化している。「IoTのグローバル基盤になる」という玉川憲代表取締役社長CEOに、描く未来図を聞いた。
(取材・文/堀 茜  写真/大星直輝)

上場で知名度、ブランドが向上

――24年3月に東証グロース市場に新規上場しました。

 会社の知名度を上げ、ブランドを向上させ、売り上げを拡大していくという意味でIPOは非常に重要だと考えていました。公開企業になったことで注目度と従業員のモチベーションは非常に高まったと感じています。

 当社は今回の上場を「スイングバイIPO」と呼んでいます。スイングバイとは宇宙用語で、宇宙船が飛んでいく際に、大きな惑星の重力を借りてより遠くに行くことを意味します。(17年に親会社となり、IPO後も筆頭株主である)KDDIのグループの力も活用しながら、上場を機にさらに成長していきます。

――パブリッククラウド上にモバイル通信のネットワークを置くという事業モデルは14年の創業時画期的だったと思いますが、この10年の歩みを振り返っていかがですか。

 クラウド上に通信のコアインフラをつくることは非常に意義があるし、世界的にみてもインパクトが大きかったと思います。それをしっかりつくって、グローバルプラットフォームに育てることをただひたすら目指してきました。

 当社は、顧客の要望に応じて新機能を開発し、2週間に1回リリースするというサイクルを創業以来、今も続けています。10年前も革新的なプラットフォームでしたが、10年間積み上げてきたことで、全く別物になってきたと考えています。世界中に散らばっているモノを1カ所から集中的にコントロールするための枠組みを一からつくってきました。

 クラウドを活用し、その上に付加価値をつくるという考え方が浸透したことも、IoT通信のクラウド上の仕組みであるSORACOMが非常に受け入れられやすくなったという意味で追い風になりました。

――国内企業のDXにはどのように貢献していますか。

 大きな流れとして、製造業などの多くの企業に、単純なモノ売りから、「モノゴト」売り、サービス売りに変わっていきたいとする機運があります。その上で、製品がネットワークとつながっていないからデータが取れないということが大きな課題になっています。当社はモノをつなげて「モノゴト化」するという点を簡単に実現できるプラットフォームを提供しています。2万以上のお客様を支援し、600万以上のモノがつながっています。
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外部リンク

ソラコム=https://soracom.jp/