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ストレージ軸に日米一体経営でビジネスを伸ばす
日立ヴァンタラ 取締役社長
島田朗伸
取材・文/安藤章司 撮影/大星直輝
2024/04/08 09:00
週刊BCN 2024年04月08日vol.2009掲載
(取材・文/安藤章司 写真/大星直輝)
日米4社連携で海外ITを1兆円に
――日立ヴァンタラ発足の経緯となった日立グループの海外ITサービス事業の一連の再編についてお話しいただけますか。北米を中心とした海外ITサービス事業は、2021年に日立製作所グループに迎え入れた米GlobalLogic(グローバルロジック)と、同じく米国に本社を置きストレージやサーバー製品などの販売を担う米Vantara、Hitachi Digital Services(日立デジタルサービシーズ)、4月1日付で営業を始めた国内の日立ヴァンタラの計4社を中心に再編が行われました。日立デジタルサービシーズは米Vantaraから23年11月に分社化したばかりの新しい会社です。
国内の日立ヴァンタラは日立製作所でストレージ製品などを開発するITプロダクツ事業部門を母体としています。
米Vantaraと日本の日立ヴァンタラの資本関係は、両社とも日立製作所本体の子会社で横並びとなっていますが、実際は米Vantaraのシーラ・ローラCEOをトップとし、私はローラ氏を補佐しつつ国内の日立ヴァンタラの経営を担う立場となります。実態として日米の日立ヴァンタラは一体的な運営をしていると理解していただいて構いません。
――どうして日立ヴァンタラを米Vantaraの日本法人、あるいはその逆にしなかったのですか。
日立製作所は鉄道や電力、エレベーターなど社会インフラ領域を手広く手がけており、いずれの分野もITを駆使したデータ活用が欠かせません。日立製作所はITとOT(制御技術)の掛け合わせを強みとしており、当社が米Vantaraの日本法人となった場合、少し距離が遠くなりすぎる。一方で米Vantaraは世界100カ国余りの有力顧客に製品を納入しており、それを今から本社を国内に戻す意味も薄いことから、資本関係は両社とも日立製作所の直下に起きつつ、経営は米Vantaraと一体化させる“いいところ取り”としました。
――日本の日立ヴァンタラに関連する人員や売り上げ規模はどのくらいですか。
米Vantaraと日立デジタルサービシーズがそれぞれ約5000人規模、当社の母体となったITプロダクツ事業部門が約1300人で、当社もおおよそ同規模です。
各社の役割分担は、データ管理の基盤となるストレージ製品を主軸に、ITサービスの上流工程をグローバルロジックが主に担い、システムの実装や運用といった中・下流工程を日立デジタルサービシーズが担うイメージです。グローバルロジックの売り上げ規模は約2500億円で、最新のデジタル技術を駆使したITコンサルティングを強みとしており、米Vantaraや日立デジタルサービシーズなどを合わせたグループ全体の海外ITサービスの足元の売り上げ規模はざっくり7500億円規模。これを将来的に1兆円に伸ばしていく方針です。
- ハイブリッド環境が主戦場に
- ハードとソフトの強みを生かす
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