KeyPerson
システム実装力を兼ね備えた“唯一無二の総研”になる
電通総研 代表取締役社長 社長執行役員 最高経営責任者兼最高執行責任者
岩本浩久
取材・文/安藤章司 撮影/大星直輝
2024/03/25 09:00
週刊BCN 2024年03月25日vol.2007掲載
(取材・文/安藤章司 写真/大星直輝)
社会課題の解決を視野に入れる
――まずは電通国際情報サービスから電通総研へと社名変更した狙いをお聞かせください。当社は30年度に年商3000億円への成長目標を掲げていますが、既存のSIerとしての事業領域だけで到達するには難しいと判断したことが理由の一つです。伝統的なSIerのビジネスモデルは、ユーザー企業からシステム更改のRFPをもらい、それに沿って更改プロジェクトを提案しますが、RFP起点のビジネスはユーザーのやりたいことや予算がすでに決まった状態であり、その枠の中でやりくりするのが通常の流れです。
そうではなくて、ユーザーのビジネス戦略をともに考え、業務的な課題解決のみならず、脱炭素や少子高齢化といったもっと大きな社会課題に挑んでこそビジネスの伸びしろがある。伝統的なSIビジネスを続けながら、さまざまなデータ分析や調査によって将来を見通す総研機能を伸ばし、新領域に挑戦する姿勢を明確にするため「電通総研」へと社名を変更するに至りました。
――「総研」と名のつく会社はほかにもあり、それぞれSIerとしての顔も持っています。どのような特色を出していきますか。
当社は電通グループに属しており、グループ各社との協業ビジネスにも力を入れています。電通グループは、広告代理店やマーケティングのビジネスに代表されるように広く生活者や自治体などとの接点を持っており、当社はB2Bのビジネスが主力です。双方の特性を組み合わせれば、ビジネスの立案からシステムへの落とし込み、生活者や自治体といった社会全体につながる導線を構築することが可能になります。
B2Bビジネスの最上流から広く全国の生活者まで接点を持つB2B2Cの企業体は、私の知る限り電通グループが唯一無二の存在であり、当社がその中で総研とSIの領域を担う位置付けとなります。当社に総研機能を集約するため、電通総研の立ち上げに当たって、当社のコンサルティング子会社2社と、電通グループの国内事業を担うdentsu Japanのシンクタンク機能を当社へ統合させています。
――電通グループとは、これまでも連携ビジネスを手掛けてきたのですか。
当社の主要な事業セグメントの一つのコミュニケーションIT事業セグメントの一部で連携ビジネスを手掛けています。昨年度(23年12月期)の同事業セグメントは、連結売上高全体の33.5%を占めており、このなかで電通グループ向けのSIビジネスや、グループ企業と連携したビジネスを手掛けています。社会課題の解決まで視野に入れ、強みとなるB2B2Cのビジネスを伸ばしていくには電通グループの連携がカギを握ります。
- 未成熟な先進システムに挑戦
- 製造やバックオフィスに強み
続きは「週刊BCN+会員」のみ
ご覧になれます。
(登録無料:所要時間1分程度)
新規会員登録はこちら(登録無料) ログイン会員特典
- 注目のキーパーソンへのインタビューや市場を深掘りした解説・特集など毎週更新される会員限定記事が読み放題!
- メールマガジンを毎日配信(土日祝をのぞく)
- イベント・セミナー情報の告知が可能(登録および更新)
SIerをはじめ、ITベンダーが読者の多くを占める「週刊BCN+」が集客をサポートします。 - 企業向けIT製品の導入事例情報の詳細PDFデータを何件でもダウンロードし放題!
- 1