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半導体業界でリーダーシップを発揮し続ける

インテル 代表取締役社長

鈴木国正

取材・文/大向琴音 撮影/大星直輝

2023/12/18 09:00

鈴木国正

週刊BCN 2023年12月18日vol.1996掲載

 生成AIが注目を集めるようになったことで、世界的にAI活用の波が訪れており、半導体はますます社会的なインフラを構成する要素として認識されるようになった。半導体大手の米Intel(インテル)日本法人は、AIの活用に向けて、AI 処理をクラウド側ではなくクライアント端末側で実行する能力をもつ「AI PC」の展開に注力し、引き続き業界を主導する役割を担うと強調する。鈴木国正社長は、「引き続き半導体業界でリーダーシップを発揮し続ける」と意気込んでいる。
(取材・文/大向琴音  写真/大星直輝)

「シリコノミー」をけん引する

――2018年11月に社長に就任されて5年余りがたちました。振り返るとどのような5年間でしたか。

 半導体産業全体の観点で言うと、供給が足りなくなっているタイミングでの入社でしたが、現在は状況が一巡し、再び安定的にお届けできる時期に入っています。あっという間の5年間でしたが、その間に戦略物資としての半導体の重要性が世界中に広まりました。その意味で、本当にやりがいを持ち続けながらこの仕事に取り組むことができています。

 このところインテルでは、「シリコノミー」という言葉を使い始めました。これは「シリコン」(半導体材料のケイ素)と「エコノミー」を合わせた造語で、半導体が経済を引っ張る物質になっていることを表しています。シリコノミーが社会に浸透すると、企業や政府、自治体も含めて、事業の継続にあたっては半導体そのものを理解することが重要になります。

――もはや半導体はエレクトロニクス業界の一つのカテゴリーにとどまるのではなく、例えばエネルギーや製鉄のように、社会にとって基盤的な産業になりつつあると。

 はい。そのため、この業界をけん引する存在であるインテルの責任として、企業や政府の皆さんとより近い位置で、深いコミュニケーションを取るようにしないといけないと感じます。そして、半導体業界の安定を目指し、柔軟かつ回復力のあるサプライチェーンをつくることに注力しています。これは、インテルが定める三つのフォーカス領域のうちの一つで、「グローバルサプライチェーンの強靭化」に関わります。シリコノミーの責任はサプライ側にあり、ここ4~5年でインテルとしては10~15兆円を投資する方向で動いています。

――三つのフォーカス領域の残り二つは何でしょうか。

 グローバルサプライチェーンの強靭化のほかには、「ムーアの法則の継続」と「AIの民主化」を掲げています。ムーアの法則では、半導体の集積率は1年半で2倍になるとされていますが、近年では、このペースは維持できなくなると指摘されるようになってきました。しかし、インテルとしては絶対的に継続することを目指しています。例えば今年、半導体製造の後工程において、(集積度を高めるための新たな実装技術となる)「アドバンストパッケージング」を発表しました。パッケージング技術でインテルは業界の一歩先を進んでいます。ムーアの法則を継続できるとする根拠を既に持ち合わせています。
この記事の続き >>
  • AIの民主化をAI PCで実現する
  • 受託製造では挑戦者として戦う

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外部リンク

インテル=http://www.intel.co.jp/