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ハードからソフトへのビジネス変革を進める

F5ネットワークスジャパン 代表執行役員社長

大野欽司

取材・文/岩田晃久 撮影/大星直輝

2023/09/11 09:00

大野欽司

週刊BCN 2023年09月11日vol.1984掲載

 米F5(エフファイブ)は、近年、ハードウェアからソフトウェアへのビジネス変革を図っており、グローバルでは順調に実績を積み上げている。しかし、国内ではロードバランサーのベンダーというイメージが強いことなどがあり、日本法人F5ネットワークスジャパンは、ハードウェア中心のビジネスから脱却できていない。3月に社長に就任した大野欽司氏は、組織改革やパートナーとの関係強化に取り組み「ロードバランサーだけの会社ではないということを認知させることで、ソフトウェアビジネスへの変革を進める」と力を込める。
(取材・文/岩田晃久  写真/大星直輝)

組織をワンチームに

──これまでの経歴と、社長就任の経緯を教えてください。

 通信サービス事業者、メーカー系インテグレーター、ネットワークベンダーなど一貫してICT業界でキャリアを積み、営業畑でさまざまな製品を扱ってきました。直近では、米Extreme Networks(エクストリームネットワークス)の日本法人の社長を務めました。エクストリームネットワークスがハードウェアからソフトウェアへビジネス変革を図る時期だったため、その立ち上げを行いました。

 現在、F5もハードウェアからソフトウェアへのビジネス変革を進めています。その中で、私のエクストリームネットワークスでの経験が評価されて声がかかり、これまでの自分のやってきたことが生かせると思い、社長就任を引き受けました。

──就任からこれまでの振り返りをお願いします。

 さまざまなビジネスを展開していることや、レガシーなビジネスプロセス、考え方が残っているといった面があり、当初、想定していたよりも、会社の現状を把握するのに時間がかかりました。現在は、周囲のサポートもあり、ビジネスの状況や社内外のステークホルダーとの関係、変革のポイントなど、事業戦略を策定する上での必要な情報を集めることができています。

 「ロードバランサー=F5」と言わるほど国内市場では、トップベンダーとしての地位を確立しているため、ビジネスは安定していますが、一方で、社員やパートナーに攻めていく姿勢が足りない面もあるのが現状です。会社がハードからソフトに変わろうとしている中で、その変化に耐えられる人や組織をつくっていくのが変革のポイントの一つと言えます。

──具体的にはどう組織を変えていくのですか。

 組織がワンチームなることが重要だと考えています。そのため、まずは組織のビジョンやミッションを明確にして、協力しながら共通のゴールに向かっていける状態にしなければなりません。

 社員の生産性やモチベーションを上げていくには、健全な組織やしっかりとした企業文化をつくりあげていくことが大切です。そのために、強力なリーダーシップ、コミュニケーションの透明性、フィードバックを言い合えるオープンな環境を重視したチームワークづくりをしていきます。

 リーダー向けのトレーニングや、営業担当者を対象にアカウントを深堀りするためのトレーニングなど、社員がスキルアップできる場も提供します。
この記事の続き >>
  • 三つの製品ポートフォリオを展開
  • ロードバランサー以外の製品も訴求

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外部リンク

F5ネットワークスジャパン=https://f5.com/jp