KeyPerson
日本で一番頼られるセキュリティベンダーを目指す
チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ 社長
佐賀文宣
取材・文/岩田晃久 撮影/大星直輝
2023/09/04 09:00
週刊BCN 2023年09月04日vol.1983掲載
(取材・文/岩田晃久 写真/大星直輝)
優れたテクノロジーが特徴
──社長就任の経緯を教えてください。私のキャリアは日本IBMからスタートしました。「IT」ではなく「情報処理」という言葉が使われていた時期でしたが、当時テクノロジーの最先端であったPCの開発に携わりました。その後シスコシステムズではネットワーク、ヴイエムウェアでは仮想化、そして前職のZVC JAPANでは「Zoom」と、常にその時代の新しいテクノロジーに衝撃を受け、そこへ飛び込んできました。
近年、セキュリティのテクノロジーは大きく進化していますが、チェック・ポイントのことを勉強した際、ほかのセキュリティベンダーと比べてもユニークで優れたテクノロジーを持っていることが分かり、その部分に衝撃を受けたのが就任のきっかけになります。これまで在籍してきた会社でもセキュリティに関わることがあったため、セキュリティに興味を持っていたのも大きな理由です。
──キャリアの中で初の専業セキュリティベンダーとなりますが、セキュリティ市場にはどういった印象をお持ちですか。
新しい対策が出てくると、新しいサイバー攻撃が生まれ、その攻撃への対策がまた生まれるといったことを繰り返してきましたが、最近は、セキュリティの対象となる領域が拡大していることで、テクノロジーの変化がより激しくなっている印象を受けています。また、この業界は“はやり廃り”があるためプレイヤーが常に変わっており、お客様やパートナーは、その都度、製品を検証して採用、運用するといった対応に追われている状況だと見ています。サプライチェーンの観点から、中小企業のセキュリティ対策強化の重要性が増しているのも、市場の特徴の一つですね。
お客様は利用するセキュリティ製品が増えていますし、それらの製品自体の脆弱性への対応もしなければなりません。その結果、運用が複雑になり、人にかかるコストが増加しています。ベンダー側には、複雑になっているところを統合して管理できるソリューションの提供や、脆弱性を極力少なくするなど、できることが多くあると言えます。
──自社の強みを教えてください。
イスラエル本社のギル・シュエッドCEOは、セキュリティエンジニアとして30年以上の経験を持ち、脆弱性を許さず、脆弱性が見つかった際はすぐに対応するという考えを持っています。この、セキュリティに対する哲学がしっかりとしている点が特徴だと思っています。実際、グローバル全体で約6200人の従業員がいますが、2000人以上がR&D(研究開発)に携わっており、脆弱性にはすぐに対応できるようにしています。
最近では、セキュリティにおいてもAIの重要性が増しています。当社は、AIを活用してサイバー攻撃を止めるという実績をいち早くつくるなど、AIの活用が進んでいるのも特徴です。こうした強みを生かして、「検知」を重視するのではなく、きちんと「防止」するという考え方で製品を開発しています。これらを実現できるのは、国自体でテクノロジーの進化が早く、技術力に長けているイスラエルに本社があることが大きいですね。
そして当社は、「Infinity(無限)」と呼ぶセキュリティアーキテクチャーを構築しています。それぞれのセキュリティ製品から得られる情報を吸い上げ、フィードバックし、システム全体でセキュリティを高めるというものです。当社ではエンタープライズ向けの製品からSMB(中堅・中小企業)向けの製品まで幅広く展開していますが、Infinityのアーキテクチャーでは、例えばSMB向けの製品で発見した脅威をユーザー全体にフィードバックして対策を取ることができ、上から下までが影響し合ってセキュリティを高めます。これはとてもユニークなところだと思っています。
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