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時代が求める人材像を明らかにする
情報サービス産業協会 会長
福永哲弥
取材・文/安藤章司 撮影/大星直輝
2023/08/28 09:00
週刊BCN 2023年08月28日vol.1982掲載
(取材・文/安藤章司 写真/大星直輝)
JISA版トレセンで高度人材を育成
──コロナ禍の3年間、JISAは政策提言をはじめとした外部向けの情報発信が十分にできていなかった印象があります。対面で情報を発信する機会が少なかったのは事実ですし、そうした機会をコロナ禍によって奪われたことはたいへん遺憾です。ただ、さまざまな制約があるなかでも、JISA内の委員会活動は活発で、2022年度まで私が副会長として担当していた人材委員会では、原前会長(原孝・リンクレア特別顧問)が提唱したIT業界におけるトップアスリートを育成するためJISA版ナショナル・トレーニング・センター(NTC)プロジェクトを立ち上げました。
ITアスリートとは、情報サービス産業の頂点に位置するデジタル人材を指しています。時代に求められるデジタル人材像を明示することで、会員企業の人材育成の指針にしてもらう狙いです。JISA版NTCではITアスリートを一堂に集めて切磋琢磨する場を提供して、互いの知見や技量をより高め合う機会にしてもらいます。22、23年度と2年連続で群馬県が実地研修の場を提供してくれました。アスリートに選出された十数人の方々が、県庁の各部門が抱える課題を先進的なデジタル技術を駆使して解決するプログラムです。非常に実践的なものであり、例えば県内の交通政策や、庁内の業務的課題といった課題別にチームを編成して3カ月にわたって取り組んでいます。
──会長就任に当たって、福永会長は「鍛えよう、情報サービス産業。鍛えよう、個と組織」との標語を掲げました。どのような思いを込めたのでしょう。
前提として、これまでの情報サービス産業の構造は、数百人のSEを動員して数十億円規模の巨大な基幹業務システムを開発する大規模案件に依拠することが多かったと受け止めています。大規模な基幹システムを請け負うことは、社会インフラを支えるという意味で大変すばらしいことですが、一方で、組織やそこで働く人材が大規模案件に最適化されすぎているようにも感じていました。
先進的なデジタル技術を駆使して価値創造につなげるDXでは、アジャイル開発の手法を取り入れ、少人数でチームをつくり、明確な要件定義がないなかで価値をつくる仕組みを模索することが多い。そこでは大規模な組織力ではなく、チームに参加する個人の能力や創造性が成果を大きく左右します。従って、従来型の組織を鍛えるだけでなく、個人の能力や創造性も鍛えていこうという願いを込めて「鍛えよう、個と組織」のフレーズをもってきました。
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