KeyPerson
エンジニアが利益を生むための支援を提供
New Relic 代表取締役社長
小西真一朗
取材・文/大畑直悠 撮影/大星直輝
2023/05/01 09:00
週刊BCN 2023年05月01日vol.1967掲載
(取材・文/大畑直悠 写真/大星直輝)
「システムはビジネスそのもの」の時代
――ビジネスの状況を教えてください。日本法人の事業開始から4年あまりが経過しましたが、結果から言うと絶好調です。グローバルでも成長していますが、日本法人はそれをはるかに上回る成長率を見せており、オブザーバビリティ市場での売り上げは国内トップシェアです。ユーザー数も一昨年の5000ユーザーから、1万6000以上へと増加しました。日本法人は、25年までに5万ユーザーを目指していますが、それに向けて弾みがついた1年でした。
ビジネスが大きくなってきたので、新規顧客の獲得だけではなく、既存のお客様の間でより多く利用していただくためのアプローチも重要になります。直近の四半期では契約更新率が95%を上回り、追加契約のユーザー数も、昨年は約150%増となりましたので、とても健全な経営状況です。
――好調の要因をどのように考えますか。
オブザーバビリティ市場自体の盛り上がりが好調を後押ししています。日本は海外と比較すると、クラウドシフトやDXの遅れを指摘されていますが、コロナ禍が大きな転機となってIT投資が進み、「システムはビジネスそのもの」と考える日本企業が増えました。そうしたシステムのパフォーマンスを観測する技術が当社の提供するオブザーバビリティなので、需要が増大しています。
――「システムはビジネスそのもの」とはどういうことか、もう少し詳しく教えてください。
もし社内システムで障害が起きたのであれば、復旧するまで従業員が我慢すれば済む話かもしれませんが、顧客に直接関わるシステムや、ミッションクリティカルなサービスを提供するシステムで障害が起きたのであれば、同じことは言えません。オブザーバビリティはシステムの運用効率化を支援するソリューションというイメージが強いですが、DXの進展とともに、ECサイトのようなビジネスに直結するシステムのパフォーマンスを把握し、自社のサービスが顧客にどのように届いているか把握したいというニーズが高まっています。
今では競合の多い市場になりましたが、その中でニューレリックの優位性は、インフラやアプリケーションだけでなく、顧客体験を分析できるオブザーバビリティを、一つのプラットフォームで提供していることにあります。監視・分析する対象ごとに特化した競合製品は多々ありますが、顧客体験の向上をコンセプトとして重視しているのは「New Relic」だけと自負しています。
ビジネスの観点で見ると、極端な話、エンドユーザーに全く影響を与えないエラーへの対応は後回しにしたっていいわけです。逆に、顧客体験を下げる要因を早期に発見し、改善に向けてシステム内のどのようなポイントを改修すればいいかを明確に示すことで、New Relicのユーザーは自社のブランドを守り、顧客が離れるのを防げます。
- SIerとの協業を加速
- 人材育成、技術支援に注力
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