KeyPerson
パートナーとともに5年で導入数100社を目指す
インフォアジャパン 代表取締役社長
黒塚明彦
取材・文/大向琴音 撮影/大星直輝
2023/01/23 09:00
週刊BCN 2023年01月23日vol.1954掲載
(取材・文/大向琴音 写真/大星直輝)
必要十分な機能で業務改革を推進
──22年11月に社長に就任された際の説明会で、前職までの経験が生きているとコメントされていました。07年~10年までSAPジャパンで製造営業本部長を担当するなど、ERP製品については、これまでも販売、導入に携わってきました。SAPもそうですが、ERP製品は財務会計や管理会計部門が対象の中心です。その上、日本の製造業のお客様は、これまで何年、何十年も積み上げてきた業務プロセスがしっかりとあり、それをわざわざ崩してパッケージに合わせるということはあまりしません。そのため日本の製造業のお客様で生産管理や、現場周りにERPを適用しているケースはなかなか少ないです。
しかし、インフォアの場合は、財務会計部門だけでなく、生産管理など現場周りにも柔軟に対応できる製品を提供しており、大手製造業でも、財務会計部分はSAPだけど、生産管理はインフォアを入れているというケースが結構多いです。生産管理の領域に関しては、米Electronic Data Systems(エレクトロニックデータシステムズ)で(当時の親会社である)ゼネラルモーターズに関係する事業を10年やっていましたので、こちらも知見があります。
インフォアのもう一つの特徴は、エッジソリューションと呼ぶERP以外の製品もいろいろと持っていることです。それぞれの製品の専業ベンダーでも長い営業経験があり、こちらもインフォアのビジネスに生かせると考えています。
──インフォアのソリューションの特徴については、どのようにお考えですか。
インフォアはもともと自社でソフトウェアを開発して大きくなった会社ではありません。ある程度評価の高かったソフトウェアを提供する企業を、いくつも買収して大きくなり、結果として、組立型製造業やプロセス産業、あるいはアパレルやファッション流通など業界に特化した製品を多く有しています。
ERP製品を提供しているほかのベンダーは、インフォアが提供しているような業界特化のものではないので、毎回、その業界に合わせてかなりカスタマイズをしていく必要があります。一方で、インフォアの場合は、業界ごとの機能を作り込んだ製品があり、その業界のお客様は共通の製品を使用されるので、一つのサーバーの上に複数のお客様のシステムを載せるマルチテナントが実現できます。導入期間が短くなりますし、カスタマイズも必要なくなりますから、コストがかなり抑えられます。
また、日本の製造業は、何十年もの積み重ねがあって現場の業務を変えたくないという意識があるとお話ししましたが、必ずしもそれがいいこととは限りません。中堅企業でも、今のプロセスがベストかどうかわからないという課題を持つお客様はいらっしゃいますし、業務を自分たちで変えて、最適なものをつくり出せるお客様ばかりではありません。であれば、既に世界中のお客様の間で使われていて、業界ごとに必要十分な機能をはじめから提供しているインフォアのシステムに業務を合わせていただくことで、迅速に業務改革ができます。
──最近の市場の動きをどのように見ていますか。
国全体でDX推進の意識が強くなってきました。老朽化しているシステムを入れ替えたいという声は非常に多く、ERP製品に関しては各企業の強い投資意欲を感じています。クラウドについては、3、4年前までは、企業がパブリッククラウドに対して意欲を持っておらず、クラウドと言ってもプライベートクラウドをという考え方が多かったです。しかし、投資対効果や維持・メンテナンスの費用を考え、マルチテナントのクラウドに興味を持つ企業がとても増えたと思います。
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