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次の30年へ、会社の構造をつくる

インターネットイニシアティブ 代表取締役社長 Co-CEO & COO

勝 栄二郎

取材・文/岩田晃久 撮影/大星直輝

2022/12/19 09:00

勝 栄二郎

週刊BCN 2022年12月19日vol.1950掲載

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は12月3日、創業30周年を迎えた。インターネットが一般には普及していない1990年代前半にいち早く事業を展開し、勝栄二郎社長は「国内のインターネットの発展とともに成長してきた」と話す。現在は、ネットワークやセキュリティ、クラウドなどさまざまなサービスを展開し、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業を支援している。勝社長は「次の30年に向けた会社の構造をつくっていく」と力を込める。
(取材・文/岩田晃久  写真/大星直輝)

国内初の商用ISPとして創業

――創業30周年を迎えましたが、どう振り返りますか。

 当社は国内初の商用ISPとして設立しました。90年代は競合が少ないこともあり、高いマーケットシェアを獲得できました。その後も、一貫してインターネット分野で事業を展開し、社名にもあるように(インターネット分野での)イニシアティブを取り続けてきたと思っています。国内のインターネットの歴史と当社の歴史は重なっており、ともに大きく成長してきたと言えるのではないでしょうか。

――成長の要因はどういった部分にあるのでしょうか。

 内部要因と外部要因があります。内部要因では、当社の社員の7割がインターネット関連の技術を持つエンジニアであり、これだけの数を抱えている企業は珍しいでしょう。そのため、国内最大級のインターネットバックボーンの運用が可能となっています。加えて、技術力の高いエンジニアがいることで、時代に応じて必要なサービスを開発し、提供することができています。

 外部要因としては、インターネットの普及は当然ですが、中でも、スマートフォンの存在が大きいです。多くの人が、スマートフォンでSNSやEC、決済などのさまざまなサービスを利用し、トラフィックは急増しています。ビジネスにおいても、インターネット上にデータが置かれるようになり、企業の成長を左右する存在となりました。

 このような背景がある中で、ネットワーク、クラウド、セキュリティ、IoTやモバイルといった分野でいち早くサービスを提供してきたことで会社は大きく成長しました。

 当社は、85%が月額使用料による収益となっており、非常に安定した収益構造となっている点が強みです。

――2024年3月期までの中期計画では、売上高2700億円規模、営業利益率11.5%の目標を掲げています。

 現状では、当初計画を超えるペースで進捗しています。ただ、進行中の中期計画はあくまで長期にわたる事業の大幅拡大に向けた通過点と位置付けており、今後もさらなる投資を続けます。

――30周年の記念施策として、12月に「IIJアカデミー」を開設すると発表しました。その狙いを教えてください。

 国内では、インターネット技術者が不足しています。その課題に対して、当社がこれまで培ってきた経験や知見を他社にも提供することで、社会に貢献していきたいと思っています。
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  • セキュリティ事業が好調に推移
  • 今後の展望 社会の大きな変化に対応

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外部リンク

インターネットイニシアティブ=https://www.iij.ad.jp/