KeyPerson
ハイブリッドクラウドの基盤をシンプルに提供する
ニュータニックス・ジャパン コーポレートバイスプレジデント兼代表執行役員社長
金古 毅
取材・文/日高彰 撮影/大星直輝
2022/12/12 09:00
週刊BCN 2022年12月12日vol.1949掲載
(取材・文/日高 彰 写真/大星直輝)
クラウドへのシフトはむしろ追い風
――HCIは、仮想サーバー環境の刷新・統合や、VDI(仮想デスクトップ基盤)の構築のために用いられるケースが多い製品でしたが、現在はどのように使われているのでしょうか。今年の7月に、お客様がどのようなワークロードで当社の製品を使われているか、調査をしました。それを見ると、確かにインフラやVDIでの需要が高いのは事実なのですが、データベースやデータウェアハウスといったデータ管理の基盤や、ERPやサプライチェーン管理のような基幹システムでの活用が増えてきていることがわかりました。AIや機械学習も伸びています。当社のHCIのコアコンポーネントである「AOS」の性能は、この4年間で6倍に向上しました。それに伴って、ワークロードの幅も広がっている格好です。
――日本市場では、HCIのソフトウェア別市場シェアで1位を継続しています。グローバルの数字と比べても大きなシェアを獲得しているということですが、国内で高い評価を得ている理由は何でしょうか。
調査会社のレポートによるとシェアはほぼ6割に達しており、国内市場では安定したポジションを確立していると言っていいと思います。非常にシンプルに扱える製品であり、安定しておりかつセキュアという評価をいただいています。また、使いやすく管理コストが安く済むことに加えて、ハイパーバイザーが無料でついてきますので、ライセンスの費用も削減できます。日本は新しいテクノロジーに対して保守的な傾向がありますが、いったん導入事例が作れれば、同業他社のお客様でも採用が進みやすい市場です。近年は自治体など公共系でも実績を積み重ねています。
シンプルに扱えるという点では、当社は「コンシューマーグレード」という言葉を使っています。一般コンシューマー向けの製品を買ったとき、説明書を細かく読まない方も多いと思いますが、優れた製品はそれでも十分に使いこなすことができます。当社の製品も同じように、クリック操作でどんどん先に進めて簡単に管理できるというところに、非常にこだわりをもって設計しています。
――日本市場におけるサーバーの出荷台数は横ばいか減少の傾向にあります。ITインフラ製品のビジネスにとって逆風の環境ではないのでしょうか。
当初HCIを生業にしていたニュータニックスは、ハイブリッドクラウド実現のため製品ポートフォリオを戦略的に変えてきています。例えば、「Amazon Web ervices(AWS)」や「Microsoft Azure(Azure)」の上にオンプレミスのニュータニックスと同じ環境を展開できる「Nutanix Cloud Clusters(NC2)」というサービスがあります。オンプレミスでニュータニックスをお使いいただいているお客様がクラウドへ移行したいとなった場合、既存のライセンスをNC2に移転することができます。
パブリッククラウドへの移行やハイブリッドクラウド環境の構築を行う際、アプリケーションをリファクタリングしなければならない場合は時間もコストもかかってしまいますが、ニュータニックスの環境であれば現状のままクラウドへ上げられます。クラウド移行の基盤としてのニーズは今後より高まると考えています。
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