KeyPerson
ソフト開発の共通プラットフォーム化を推進
東芝デジタルソリューションズ 取締役社長
岡田俊輔
取材・文/安藤章司 撮影/大星直輝
2022/10/24 09:00
週刊BCN 2022年10月24日vol.1943掲載
(取材・文/安藤章司 写真/大星直輝)
ハードとソフトの分離に着手
――東芝デジタルの社長を3月から務める傍ら、東芝本体のCDOも兼務しています。“二足のわらじ”のように見えますが、どのような狙いがありますか。ご存じの通り、東芝グループは電力や社会インフラ、小売業向けのPOSなど事業領域が多岐にわたっています。昨今のデジタル技術の進展によって、どの事業領域においても商品やサービスの価値を高めるのにデジタル技術の活用は欠かせません。一方で、事業部門や子会社の組織の壁があり、デジタル技術が分断されるサイロ化がグループの大きな課題になっています。
そのなかにあって、東芝デジタルはグループ内でもっとも多くのデジタル人材を抱えている事業会社です。とくにソフトウェア開発は、東芝グループ自身が最新のデジタル技術でビジネスを変革していくデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現する上で重要な要素であり、当社が中心になって事業部門や子会社の事業部門の壁を乗り越え、グループ全体のソフト開発の開発手法を最適化し、効率的にソフト開発が行えるよう推進する位置づけです。こうした狙いがあって私は東芝デジタルの社長とグループCDOを兼務しています。
――いくらグループCDOを兼務しているからとはいえ、これまで事業ごとに個別開発してきたソフトを東芝デジタルが推進役となって標準化できるのでしょうか。
東芝デジタルの指図を他の事業部門がすんなり聞き入れるのか、という質問かと思いますが、東芝グループのなかで当社がもっとも営業利益率が高いんです。エネルギーやビル、インフラシステムなど複数の事業セグメントがあるなかで、22年3月期の営業利益率が10%を超えたのは、当社が属するデジタルソリューション事業セグメントのみ。これは誇っていいことですし、デジタル技術やソフト開発が収益力を高めるのに極めて有効だという証明でもあります。十分に説得力があるとは思いませんか。
現状を見ると、発電装置やエレベーター、POSなどのグループ各事業部門では、ハードとソフトを一体的に開発しています。ハードに最適化したソフト開発が行える利点があるものの、個別最適によってサイロ化が進みやすく、マイクロサービスやクラウドネイティブな開発手法など最新のデジタル技術の取り込みに時間がかかったり、事業部ごとの製品やサービス間でのデータ連携も難しい状態が続きかねません。
そこで、まずソフトの部分を分離して、東芝グループ共通の開発プラットフォームに移し替える必要があります。この共通プラットフォームづくりの推進役を、グループ内でもっとも多くのデジタル人材を擁する当社が担うことで、東芝グループ全体の競争力や収益力を高める算段です。
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外部リンク
東芝デジタルソリューションズ=https://www.global.toshiba/jp/company/digitalsolution.html