KeyPerson
自動化の市場はブルーオーシャン
UiPath 代表取締役CEO
長谷川康一
取材・文/齋藤秀平 撮影/大星直輝
2022/08/22 09:00
週刊BCN 2022年08月22日vol.1935掲載
(取材・文/齋藤秀平 写真/大星直輝)
大きな波に乗って成長
――直近の日本のビジネスの状況はいかがでしょうか。過去1年間で150人くらいの役員クラスの方とお会いしてきました。お聞きした話を集約すると、非常に大きなデジタルの波がきていると感じています。主な論点としては三つあります。一つめは、一部の業務をデジタルにするだけではなく、業務全体をデジタルにしていく必要があること。二つめは、お客様のニーズが多様化する中、スピード感を持って製品やサービスを提供し、早く失敗して、そこから学んだことを生かすことが大事であること。三つめは、製品やサービスを提供した後、どんどん価値が下がる従来型のビジネスではなく、使い込むことによって価値が上がるサブスクリプション型のビジネスが重要であること。デジタル技術が進展する中、多くの役員クラスの方は、これらについて非常に前向きになっています。われわれは米国の上場企業の日本法人であり、数字についてはグローバルで公表しているものが全てになりますが、グローバルと同様に、日本のビジネスも、この大きな波に乗って非常に順調に伸びています。
――コロナ禍でデジタル化の機運が高まっていますが、ビジネスを後押しする要因になっていますか。
新型コロナウイルスの感染拡大は、日本の社会や人に大きな気づきを与えたと捉えていますし、DXの必要性は高まっているとみています。例えば、リモートワークによって社員がオフィスにいなくても、ロボットが人間の代わりをする仕組みがたくさん生まれています。また、印鑑をなくそうという動きが影響していると思われますが、最近ではワークフローシステムを提供するITベンダーと非常に多くの仕事をしています。ただ、DXに向けて取り組んでいるのは、日本だけではありません。RPAに関して言うと、19年ごろまでは、日本が世界の市場をリードしてきましたが、今は米国や欧州が非常に速いペースで伸びています。
――RPAに対するニーズが高まる中、製品の優位性についての見解をお聞かせください。
最も競争力のある製品を目指す世界戦略の中で、日本の非常に高い要求に応えることを重要視し、それは今も踏襲しています。現在、日本の経営層やミドルマネージメント層は、解決すべき課題を発見する部分に大きな問題意識を持っています。われわれの製品は、課題を発見するプロセスマイニングの領域では世界トップクラスの性能を持っており、さらにほかの機能を組み合わせることで、課題の発見と解決の両方を実現することができます。こうした製品をつくることができたのは、日本のニーズをしっかり取り込んできた結果だと思っています。あとはクラウドとオンプレミスで製品を提供できることも強みです。企業の間でクラウド化は進んでいますが、お客様の話を聞いていると、全てがクラウドにはならないとみています。お客様の環境に沿って対応できるのは、われわれがしっかりと日本のお客様の状況を理解できているからともいえます。かつては製品開発の4割くらいに日本の要望を反映させていました。会社の規模が大きくなり、もう製品開発に対する国別の要望の割合は取っていませんが、引き続き日本が最重要拠点であることは間違いありません。
- CEOを務めるこの5年間で、顧客のRPAに対する認識や使い方に変化は
- 自動化の市場を開拓していく上でのパートナー戦略について
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