KeyPerson
「コンテンツクラウド」はキャズムの壁を打ち破れるか
Box Japan 代表取締役社長
古市克典
取材・文/藤岡堯 撮影/大星直輝
2022/07/11 09:00
週刊BCN 2022年07月11日vol.1930掲載
(取材・文/藤岡 堯 写真/大星直輝)
SaaSの利用拡大で注目高まる
──近年のBoxは「コンテンツクラウド」の概念のもとにサービスを展開しています。耳馴染みのない言葉ですが、どういった思いが込められていますか。アプリケーションとコンテンツ(ファイル)を切り離し、コンテンツ部分をクラウドで管理しようという考え方です。コンテンツはさまざまなアプリで作られ、いろいろな場所で保管されます。作成から共有、保管に至るまでの過程で、コンテンツは多くの人の手、デバイスの間を変遷していきますが、その間に、どこかで外部に漏れるかもしれませんし、紛失することもありえます。コンテンツのライフサイクルを全てBoxで管理しましょう、という発想です。
Box上でコンテンツを作れますし、もちろん共有はお手のものです。そして容量は無制限ですからアーカイブにも適しています。Boxがもともと有する機能だけでなく、外部のアプリケーションとも連携可能です。Boxが全てやり遂げますから、信頼してください、任せてください、というメッセージですね。
──そういったメッセージを発信する中で、昨年度(21年2月~22年1月)の業績は好調だったと聞いています。どのように受け止めていますか。
昨年度のARR(年間経常収益)は、前年度比で約6割増でした。SaaSの導入に慎重だったお客様、具体的には官公庁や自治体、中小企業へ浸透し始めた感覚があります。また、東京以外の地域のお客様も増えてきました。もしかしたら「キャズムの壁」を越えるところに手が掛かったのかなという気がしています。
リモートワークの普及によって、SaaSの利用が拡大しました。Boxは情報を共有して有効活用できるだけでなく、セキュリティも万全です。さまざまな人がSaaSを使っていく中で、Boxへの注目度が高まっていったのでしょう。銀行や病院も含めた“慎重派”のお客様の動きは、本格化していく手応えがあります。これらの業界のお客様にクラウドサービスの便利さをぜひ理解していただきたい。Boxの米国における一番大きなお客様は金融機関、その次は官公庁です。それを踏まえると、日本はIT活用が遅れているのでしょう。これはもったいない。
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