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大鉈振るい“小さな富士通”から脱却
PFU 代表取締役社長
長堀 泉
取材・文/安藤章司 撮影/松嶋優子
2021/09/17 09:00
週刊BCN 2021年09月13日vol.1890掲載
PFUのあるべき姿を明確にする
――この第2四半期(7-9月期)からPFUの組織を大きく変えたとうかがっています。狙いは何でしょうか。ハードウェアの製造業としてのPFUの強みをより高めるために、ハードウェア製品を起点としたビジネスでより多くの利益を出せる組織にしました。当社はドキュメントスキャナを主力製品とした「ドキュメントイメージング事業本部」と、キオスク端末などのカスタマイズ製品、組み込み製品などの製造を手がける「コンピュータプロダクト事業本部」、そして保守サービスの「インフラカスタマサービス事業本部」と大きく三つの組織があるのですが、スキャナやキオスク端末のハードウェア製品に専属の営業をつける体制へと変更しました。
これまでは各事業本部を横断するかたちで営業部門があり、顧客企業に営業が張りつくアカウント営業の方式でした。顧客の課題を解決しようとするあまり、ハードウェア製品を起点としたビジネスというよりは、SI専業会社のような動きになっていた感が否めません。つまり“小さな富士通”みたいになって、SIerとしても中途半端、ハードウェアメーカーとしての強みとSIをリンクした提案ができる体制になっていなかったのです。
こうした反省を踏まえ、営業部隊を製品事業部ごとに振り分ける製販一体の体制へと7月から変えました。個別SI的な事業を担っていた旧ソフトサービス・ソリューション事業本部は、保守サービス部門に統合しています。
――長堀社長から見て「PFUは強みを生かし切れていない」と見えたわけですか。あるいは富士通の時田隆仁社長がそう認識していると。
私は今年4月1日付でPFU社長を拝命しましたが、時田さんからは特に何も言われていません。ただ、私を任命したということは、「経営改革に大鉈を振るってくれ」と同義だと私は解釈しています。
――それは、どういう意味ですか。
私は直前まで富士通本体でデジタルマーケティングを推進する立場にあり、いわゆる「DX」や「イノベーション」というデジタル変革の文脈で使われる言葉を連発していました。それ以前は富士通総研の役員として、富士通グループ初のDX専門子会社Ridgelinez(リッジラインズ)の立ち上げに関わり、Ridgelinez社長に就いた今井(俊哉)さんとも設立に向けた議論を重ねてきました。こうしたキャリアを持つ私を任命したのは、恐らく「PFUの本来あるべき姿を明確にしてくれ」という意味だと受け止めています。
- ハードウェアメーカーとしてのあるべき姿 顧客と価値を分け合うモデルに
- 製品を起点とした価値創出に注力し、利益を増やす
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