KeyPerson
DXを支える人材、組織づくりに力を注いできた
NRIデジタル 代表取締役社長
雨宮正和
取材・文/安藤章司 撮影/松嶋優子
2021/03/26 09:00
週刊BCN 2021年03月22日vol.1867掲載
異なるスキルを一つのチームに
――野村総合研究所グループのDX専業子会社としてNRIデジタルが発足してから今年8月で5周年を迎えます。NRIデジタルの創設からずっと陣頭指揮を執ってきた雨宮社長の率直な感想をお聞かせください。私は野村総合研究所(NRI)のコンサルタントの一人として顧客のビジネス変革を支援してきたのですが、先進的なデジタル技術を駆使してビジネスを変革する「DX」を本当に成し遂げようとしたとき、既存の組織体制では限界があると感じていました。NRIデジタルの発足からこれまでを振り返ってみると、以前までは個々人がそれぞれの力量で取り組んできたDX支援を、NRIデジタルという会社組織で実践できるようになったことが大きな成果だと感じています。
まず、DXと言ったとき、既存の古いシステムを刷新して、今どきのオンラインサービスに対応できるようにするレベル感のものと、デジタルネイティブなビジネスを新規で立ち上げるレベルのものと大きく二つに分かれます。当社では前者を「DX1.0」、後者を「DX2.0」と呼んでいます。例えばERPを最新バージョンのもにアップデートするといったレベルのものであれば、正直、ITベンダー側も従来型の組織で十分に顧客の要望に応えられます。しかし、先進的なデジタル技術を取り入れて新しいビジネスを立ち上げるDX2.0タイプを実践したいと考える顧客に向けては、これまでの組織では十分に応えられない。NRIデジタルでは会社の発足当時からDX2.0により焦点を当てられる組織づくりに力を注いできました。
――顧客の「新しいビジネスを立ち上げたい」という需要に応え得る最適な組織とは、どのような組織ですか。
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