Special Issue
ニフティと大連華信 クラウドサービスの中国展開で協業 両社の技術力・市場ノウハウを融合
2017/02/24 08:00
急成長遂げる中国IT企業
耿文東
大連華信計算機
技術股份有限公司
ITサービス事業部
クラウドサービス
コンサルティング総監
大連華信が展開する中国では現在、クラウド市場が急速に拡大している。調査会社の艾瑞咨詢(iResearch)によると、15年の中国企業クラウドサービス全体市場規模は394億元で、19年には約3倍となる1182億6000万元に拡大する見込みだ。アリババグループやファーウェイ、3大通信キャリアなどの地場企業に加え、ここ数年の間に、Amazon Web Services(AWS)やマイクロソフトなどのグローバルクラウドベンダーが参入。トータルITサービスを提供している大連華信にも、顧客からのクラウドへの要望が増大し、対応が迫られていた。そこで、ニフティとの提携を通じたクラウド市場への参入を決断した。
高信頼性・高品質を武器に
渡邊太郎
ニフティ
クラウド事業部
クラウドインテグレーション部
課長
ニフティとしても、クラウド事業のグローバル展開に力を注ぐなかで、規模が大きくクラウド市場も拡大路線にある中国は戦略地域と位置づけている。そこで、地場のパートナーを通じた展開を検討していた。ニフティの渡邊課長は、「中国市場に長けているだけでなく、日本企業との関係構築にも慣れている大連華信は、とても心強いパートナーだった」と話す。両社の思惑が合致し、Win-Winの関係が成立したわけだ。
顧客の要望に全力で応える
中国市場で提供する華信商用雲技術サービスは、競合のクラウドと比較して、地域性を重視したサービスに仕立てる方針だ。大連華信の耿総監は、「顧客に対して、高品質なサービスを組み合わせたトータルのクラウドソリューションを提供する」と説明。ただITリソースを提供するだけでなく、これまで大連華信が中国市場で培ってきた経験・ノウハウを生かし、導入コンサルティングやクラウド環境への構築のほか、自社ソリューションのクラウド上での提供など、各種サービスを組み合わせて提供する。顧客が社内環境で構築したプライベートクラウドと華信商用雲技術サービスを組み合わせることも可能だ。「現在、中国市場で利用可能なパブリッククラウドは汎用的なサービスが多く、顧客の要求を十分にカバーできているとはいえない。華信商用雲技術サービスでは、ここで差異化を図る」(大連華信の耿総監)という。ターゲット対象には、地場企業に加えて日系を含む外資企業も盛り込んだ。とくに、品質を求めるユーザーを中心に開拓する。大連華信の耿総監は、「中国のパブリッククラウド市場では、仮想マシン(VM)利用数10台以上のユーザーで、価格よりも品質を重視する傾向がある。この領域のお客様に使っていただきたい」と意欲を示す。
日本市場でもニフティクラウドのユーザー層は、従来のゲーム企業やインターネットサービス企業に加え、エンタープライズ企業が増えており、社内の基幹システムの移行にあたって品質を重視するケースが増えている。ニフティの渡邊課長は、「目先のコストより、将来の機会獲得に向けた品質を大事にするお客様に長期間使っていただける。そのために、大連華信を全力でサポートしていく」と話す。
華信商用雲技術サービスの本格的な提供はこれから。どんなサービスに成長していくのか、今後が楽しみだ。
- 1
関連記事
ニフティ、「SINET」と「ニフティクラウド」をプライベート接続