Special Issue
生産性低下を招くコミュニケーションの課題、Shureの解決策は『ハイブリッド会議の音声品質改善』
2025/04/21 09:00

企業がリモートワークを取り止め、オフィスワークに回帰する動きが広がっている。背景には非対面の働き方におけるコミュニケーションの不足や協業の難しさといった悩みがあるようだ。この環境下で定着したのが、対面会議とリモート会議を組み合わせる「ハイブリッド会議」だ。しかし、ハイブリッド会議でも、円滑なコミュニケーションを体感できないケースは多い。2025年で100周年を迎える業務用/会議用マイクロホンブランドの老舗Shure(シュア)は、ハイブリッド会議におけるコミュニケーション不全の理由が「会議室側の音声が十分に聞き取れない」点にあると指摘し、「音の改善」による課題解決を提案する。
ハイブリッド会議でのコミュニケーション不足の原因は「音」
――出社前提の働き方を再び求める企業が増えています。このオフィス回帰の動きをどう見ていますか。リモートワークの利点を考慮しても、従業員間のコミュニケーションを図る上でマイナス面が大きいのでしょうか。富永 一つは経営者の感覚として、対面で仕事をする方が良いとの考えに向かいつつあるようです。もう一つは、リモートでのコミュニケーションにトラブルを抱えるケースが少なくないことがあります。それが適切な意思決定を妨げ、生産性向上に結び付かないという判断から、急にフルリモートからかじを切ったお客様もいます。業種や業態と関係なく、私たちが相談を受けるお客様では、Web会議にまつわる問題がほとんどを占めます。そこで、一定のリモートワークを維持しながら、オフィス回帰と両立するハイブリッド会議が増えています。
硲 リモートには、時間を効率的に使える、ワークライフバランスを整えやすい、人の採用に有利などのメリットがありますが、コミュニケーションの問題から生産性の低下などの課題は経営層として無視できません。だからこそ今、Web会議の質が問われていると思います。

富永貴之・アソシエイトマネージャー
――前述のような問題がハイブリッド会議で発生すると、企業経営にどのような影響があると考えられますか。
富永 実際、会議室側の発言がよく聞き取れない、部分的に聞こえないことがWeb会議の一番の不満点です。一見すると対面と同じようでも、細かなコミュニケーション不足や理解不足が生じ、その積み重ねが生産性の低下を招く主因であると、経営者が判断するようになったと感じます。問題は、それがWeb会議の性能的な限界だと思い込んでしまっている経営者の方もいまだに多いのではないかと感じる点です。それが全員出社に急に切り替えてしまう背景にあるのだと思います。
――一方ハイブリッド会議での課題を認識し、改善を望む経営者やオフィス管理者はどう問題と向かい合うべきでしょうか。また、改善に向けて取り組んでいる企業は増えていますか。
富永 Web会議が定着したこの数年での変化に、お客様のリテラシーの向上があります。お客様自身が製品の機能を詳しく調べてから問い合わせをいただくことが増えました。特にこだわるのは前述した音です。Web会議でのコミュニケーション不足の原因は、音の問題だったと多くの世の中の人が気付いた。しかも、ハイブリッド会議が主流となる中で、会議室に集まる人数も増えて、以前の数名程度から10名、20名が参加するようになりました。そうなると、これまで使用していたデバイスの限界が問題になります。
硲 たとえ全社員が出社するにしても、お取引相手がリモートであれば問題は解消しません。そこで、Web会議の環境を改善するため、ある程度の投資が不可欠との認識に変わりつつあります。プレミアムなソリューションを得意とする当社への問い合わせが増えているのは、それが要因と考えています。

硲夏希・シニアマネージャー
各規模の会議室に対応し、参加者すべての声を届けるソリューションを提供
――Shureではどのような考え方でハイブリッド会議の課題解決に取り組んでいますか。用意している製品や、導入により期待できる改善効果についても教えてください。富永 今、多くの企業でAV機器の見直しだけではなく、会議室の分割などを含むオフィス全体のレイアウト変更も進んでいます。米国シカゴで創業し、今年で100周年を迎えるShureは、今では120カ国で事業展開するオーディオソリューションメーカーであり、その歴史の中で積み重ねてきた技術とノウハウを会議室空間へ展開しています。会議室の規模はもちろん、お客様の会議に対するあらゆる要望にお応えできるラインアップがそろい、提案内容をフレキシブルに変えられることが最大の特徴です。1社でここまでのラインアップをそろえているメーカーはほとんど見当たらないと思います。
硲 例えば、会議室のどこに音が届いていないのか、誰の音声が拾えていないのかを確認して、それを実際に解決する手段を複数持つ点が他社にはないシュアの強みと自負しています。発言の聞こえ方のばらつきが解消され、全ての発言が等しく明瞭に聞こえれば、参加者全員が会議内容をしっかり理解し、円滑な意思疎通や協業を通じて、組織のパフォーマンス向上に大きく貢献できます。市場にはいわゆる「Microsoft Teams Rooms」デバイスの選択肢が非常に多くありますが、ShureはこのTeams Roomsデバイスのご用意に加えて、多様な会議室環境のあらゆる音響的な課題を解決するマイクやプロセッサを持っています。
高度な収音・音声処理技術と豊富な技術スタッフが強み、必要な機器がすべてセットになったコンポーネント型Microsoft Teams Roomsデバイスキットもリリース
――販売パートナーにとって、他のTeams Roomsデバイスメーカーや音響メーカーの製品ではなく、Shure製品を採用することで生まれる差別化要素や優位性はどの点にありますか。富永 一つはマイクの性能です。空調やプロジェクタのノイズ、音の反響、変則的なルームレイアウトによるマイク設置場所の制限など、お客様の環境は全て異なります。それぞれの環境でしっかりと発言を拾い、クリアに届けるにはマイクの収音性能と高度な信号処理の2つが欠かせません。天井から発言を収音する方式のマイクにおいてShureは先駆者ですし、音声信号処理についても業界内で極めて高い評価を得ています。また、お客様の課題を最短で解消するため、他社製品との混合を厭わず最適な組み合わせを提案できる知識、ノウハウを持つ技術スタッフを多数抱えていることです。最新機器がそろう「Shureショールーム」では、お客様の環境を再現して、会議音声を確認できるなど、日々パートナーの方々にお客様を連れてきていただき、デモを実施しています。あるいは、全国お客様のオフィスに伺い、製品を仮設して実環境で音と使い勝手をお試しいただくこともあります。オフィスソリューションを提供する売り手の皆様には、ぜひお気軽にお問い合わせいただけると嬉しいです。
硲 天井設置型スピーカーホンと、高度な音声処理ソフトウェアが予めインストールされたミニPC、カメラ、タッチパネルがすべてセットになったMicrosoft Teams Roomsデバイスキット「IntelliMix Room Kit」を1月に発表しました。ハイブリッド会議に必要なコンポーネントがキットになっている上、オーディオ設定も自動的に完了させることができますので、パートナーの方々は多くの時間を掛けずに機器選定からお客様への提案、そして導入までを行っていただくことができます。Teams Roomsデバイスの他にも、会議空間向けに高品位なオーディオソリューションを商材として扱いたいと考えている各分野の販売会社の方々は、ぜひWebサイトの問い合わせフォームからご一報いただきたいと思います。
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