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週刊BCN 特別連載企画<第18回> DISのエキスパートに聞く 日本のIT利活用の実態は
2025/04/03 09:00
週刊BCN 2025年03月31日vol.2053掲載
甲府エリア
主要産業の製造や果実生産でIT活用が進む 大学と企業が連携して製品・サービスを開発
拠点エリア 中部エリア拠点データ 甲府支店
住所:山梨県甲府市相生2-3-16(三井住友海上甲府ビル4F)
電話番号:055-221-3350
山梨県は、富士山や南アルプス、八ヶ岳といった日本を代表する山々、富士五湖などがある自然豊かな県です。甲府市は、武田信玄が本拠地を構えていたことから、武田神社や甲斐善光寺など信玄ゆかりの歴史的名所があり、多くの人が訪れます。大型テーマパークがある富士吉田市や河口湖町方面も、観光地として人気です。特産品としては、収穫量全国1位のブドウやモモ・スモモなどが挙げられます。ワイナリーも多く、山梨のワインが有名です。

甲府支店 葛馬威男 支店長
県内の産業は、製造業の比率が高くなっています。水源が豊富な土地が多いことから、半導体を中心に多くの工場が存在します。製造業でのIT活用では、クラウド管理型IT製品を活用して、工場全域のネットワーク管理を行うといった取り組みを進める企業が増えています。老朽化している工場も少なくないため、今後は、システムの刷新や新工場の設立が進むとみています。果実生産も産業の柱です。ITの活用も徐々に進んでおり、AIカメラやドローンを用いて盗難や害獣の対策をしたり、スマートグラスを通じて熟練者の目利きを学び、経験の少ない人でも適切なタイミングで果物を収穫できるようにするなどの動きが出てきています。
自治体の事例としては、北杜市が「Microsoft Teams」をはじめとしたツールの活用により業務効率化を図るDX推進計画を策定しました。自治体同士のつながりが強く、甲府市や笛吹市、富士吉田市なども連携しながら、DXに取り組んでいます。山梨県では、DX・情報政策推進統括官が中心となり、特設サイトでのeラーニングの提供など、さまざまな施策を展開し、県全体のDXを推進しています。また、県内の大学や研究機関と企業が連携して、AIやIoT、ビッグデータ解析などの先端技術を活用した新しいサービスや製品の開発を進めています。
2024年には、県内の人口が47年ぶりに79万人を下回るなど、人口減少が課題となっています。人材不足を補うためにも、今後はよりIT活用の重要性が高まってくると思います。

全国から寄進された数百種類の樹木が植えられた森や、
国の重要文化財「吉岡一文字」が展示されている宝物殿などを目当てに多くの人が訪れる。
広島エリア
製造業を中心にDXが進む 官民学で連携したコミュニティーがDXを推進
拠点エリア 中国エリア拠点データ 広島第1・第2支店
住所:広島県広島市中区橋本町10-6(広島NSビル9F)
電話番号:082-511-7735(広島第1支店)
082-511-7736(広島第2支店)
広島県は古くから近畿と九州をつなぐ交通の要衝として栄えてきました。厳島神社や広島城といった歴史的な建造物があり、多くの観光客が訪れます。また、被爆の経験から広島市は平和を祈願する都市であり、原子爆弾の悲惨さを伝える原爆ドームはこれを象徴する建物です。

広島第1支店 小野 誠 支店長(左)
広島第2支店 新山俊朗 支店長
広島県発祥の国内を代表する企業が多いことも特徴です。自動車や食品、小売業において、全国で親しまれる複数の企業が広島県から生まれています。
産業構造としては製造業が盛んで、製造品出荷額は中国、四国、九州地方において11年連続で1位です。自動車や造船、鉄鋼といった重工業に加え、半導体産業も発展しています。
県内企業のDXも製造業が先行し、大手の工場を中心に生産ラインの自動化やIoT技術を活用した効率化を図っています。その他の業界でも、医療分野では遠隔医療やAIを活用した診断支援システムが導入されていたり、農業分野で農地管理のデジタル化が進んでいたりと、企業はDXの推進に積極的な印象があります。
自治体によるIT利活用の支援も拡大しています。広島県はITパスポート取得の支援制度を設け、県内企業のIT人材の育成を後押ししています。また官民学で連携するコミュニティー「ひろしまサンドボックス」で、AIやIoT、ビッグデータを活用した新たな付加価値の創出や生産性の向上に取り組んでいます。
県内では人口減少と少子高齢化が深刻な課題で、若者の県外流出率も高いです。加えて県の方針として男性の家事・育児参加の促進に向けた条例が検討されており、市場における人材の量は今後も変動が見込まれます。こうした状況下では、属人的なオペレーションを廃し、データを基にした経営へのシフトやDXによる業務の標準化を待ったなしで進める必要があると考えます。また、機密情報を抱える製造業は多く、セキュリティー対策の強化も重要だと感じています。これらの改題解決の一助になれればと思っています。

45年8月15日の朝、至近距離で被爆するも奇跡的に倒壊を免れ、
原子爆弾の恐ろしさを現代に伝える史跡に。96年に世界遺産に登録された。
宮崎エリア
マンゴー栽培でICTによる環境制御を推進 バングラデシュから人材を受け入れ
拠点エリア 九州エリア拠点データ 宮崎支店
住所:宮崎県宮崎市広島1-18-7(大同生命宮崎ビル2F)
電話番号:0985-35-8715
九州南部に位置する宮崎県は、「古事記」や「日本書紀」に記された日向神話の舞台として知られ、豊かな自然と深い歴史を背景とした独自の文化が多くあります。名所としては、高千穂峡、青島神社、鵜戸神宮などが人気です。グルメは宮崎牛や地鶏の炭火焼きなどが名物で、特産品のマンゴーは全国的にも高く評価されています。冬でも温暖な気候で、「日本のひなた」というキャッチコピーで地域をアピール。プロ野球をはじめスポーツチームがキャンプ地として利用し、観光の活性化にもつながっています。

宮崎支店 柳楽斉彦 支店長
温暖な気候と豊かな自然環境を生かし、農業が盛んです。ピーマン、トマトなどの産地として有名で、キュウリは全国出荷量1位を誇ります。林業も重要な産業で、日向杉など高品質な木材が生産されています。
ITの活用は、主要産業である農業での例が挙げられます。宮崎県は「ひなたスマートアグリビジョン」を策定し、農業のユニバーサル化や高収益化を目指して取り組んでいるところです。具体的にはキュウリや高級フルーツの地位を確立したマンゴーで、育成予測や環境制御にICTを導入した例が挙げられます。
デジタル人材の確保で特徴的な動きもあります。宮崎市は、高度なICT人材を確保するため、宮崎大学や市内企業等との産学官連携により、バングラデシュからの技術者と市内企業とをマッチングするプロジェクト「宮崎ーバングラデシュ・スタイル」に取り組んでいます。日本語教育などのプログラムを受講した技術者が宮崎市の企業に就職するスキームで、IT人材不足の解消が期待されています。
宮崎は都市部と比べ、最新のITを取り入れる点で、やや遅れが見られる部分に課題があります。特に生成AIは進化のスピードが速く、要約機能など使いやすいところからとりあえず使ってみてほしいと考えています。多くの企業が自社の業務効率化に役立てていくことで、ITを県全体の成長につなげられるのではないでしょうか。

滝とその周辺美しい景観は訪れる人々を魅了している。
貸しボートを利用して、川から滝や峡谷の景色を楽しむことができ、
待ち時間が数時間になることもあるほど人気のアクティビティーだ。
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