Special Issue
ファーエッジからニアエッジまで取り揃えた包括的なポートフォリオでエッジ・コンピューティング市場を拡大
2025/03/25 09:00

Lenovo AP Edge Computing -
Business Development Manager
分散処理の一形態を超えて拡大するエッジ・コンピューティング
昨今、企業におけるDX推進が本格化し、さらにはAI開発・活用が加速するに伴い、エッジ・コンピューティングの重要度が増している。そうした中で、エッジ・コンピューティングの概念そのものも拡大している。Lenovo AP Edge Computing - Business Development ManagerのPieno Lee氏は、「かつてのエッジ・コンピューティングは、ビジネス現場に近い場所で演算処理や制御を行う、分散処理の単なる一形態に過ぎなかった。しかし仮想化やコンテナ化といったソフトウェア技術の進歩によって、単一プラットフォームで複数のワークロードを処理できるようになった今、多くのユーザーはエッジにおいても複数のワークロードの集約・統合を求めるようになっている。こうした市場の新たなトレンドが、エッジ・コンピューティングの発展を促進している」と語る。
実際に現在のエッジ・コンピューティングは、製造業の生産ラインから小売業の店舗まで、企業のあらゆる現場に展開され、ビジネスのオペレーションを支えている。
こうした変化を受けてエッジ・コンピューティングには、処理性能の向上だけでなく、耐環境性(幅広い温度、衝撃および振動への対応など)、セキュリティ(暗号化データ、オンサイト認証など)、持続性(多様な接続、冗長運用など)、管理性(導入の自動化、ライフサイクル管理など)、サステナビリティ(電力節約、リサイクル複合材の利用など)といった、多岐にわたる要件が課せられるようになった。
ファーエッジからニアエッジまで包括した製品ポートフォリオ
上述のように日々高度化していくエッジ・コンピューティングの世界に向けて、ファーエッジからニアエッジまで、業界トップクラスの包括的なポートフォリオを展開しているのがレノボ・エンタープライズソリューションズ(以下、レノボ)だ。ここで言うファーエッジとは、工場の生産設備や店舗のレジ端末など企業の業務現場に最も近い場所に置かれたエッジクライアントである。非常にコンパクトな筐体、メンテナンスフリーのファンレス設計といった特徴を有し、レガシー機器を含めたエンドポイントからのデータ収集のほか、現場でのワークロードの実行を担う。
例えば2025年3月3日~6日にかけて、スペインで開催された世界最大級のモバイル技術の展示会「MWC Barcelona 2025」にて発表された、最新のインテル ® CoreTM Ultra プロセッサー(シリーズ2)を搭載する「ThinkEdge SE100」は、AIワークロードに対応したGPU利用を前提に設計されており、動画解析や物体検知などのリアルタイム推論をファーエッジ領域で実行する。


一方のニアエッジは、データセンターやクラウドなどのデジタルコアに近い場所でワークロードを実行するサーバー製品だ。必然的にファーエッジよりも強力なコンピューティングパワーが求められるため、レノボでは高度な処理性能と共に、過酷な環境下での運用にも耐えられる堅牢性を兼ね備えたエッジサーバーのラインナップを用意している。
「現在のエッジ・コンピューティング市場において、ほとんどのベンダーがファーエッジまたはニアエッジの一方に注力している中、当社はどちらにも偏ることなく幅広い選択肢を用意し、さらにはデジタルコアを支えるインフラまで手掛けている。レノボはエッジ・コンピューティングの広範なプラットフォームを全方位で提供できる、数少ない企業の1社でだと自負している」とLee氏は強調する。

レノボ製品をサブスク型で提供する「Lenovo TruScale」
さらにレノボはエッジハードウェアだけにとどまらない、広範なレノボ製品をサブスクリプション型で提供するサービスを提供している。それが「Lenovo TruScale」だ。従来の買い取りモデルと比べ、機器調達にかかる費用は使用した分だけで済むため、大きなコスト抑制効果が期待できる。そして何より、オンプレミスで稼働するシステムでありながら、レノボに運用管理を任せられるのがメリットだ。
「サブスクリプション型のLenovo TruScale なら、ビジネスの成長にあわせたハードウェアの増設や入れ替えにも容易に対応可能だ。拡張時の計画や設計についても、レノボのプロフェッショナルにサポートを任せるだけでよい。これによりユーザーはエッジ・コンピューティング環境の構築や運用に関するコストと工数を削減し、本来の業務に集中することが可能になる」とLee氏は訴求する。
こうしたサービス面からも攻勢をかけることで、レノボのエッジ・コンピューティングのソリューションは、日本企業の間でも導入実績を着実に拡大している。
「エッジ・コンピューティングはもはやIT環境構築における単なる選択肢ではなく、DXを推進していくうえでの必須要件となりつつある」とLee氏は語る。その上で同氏は「この包括的なソリューションは、SIerはもとよりリセラーやレンタル事業者を含めた、レノボのすべてのパートナーにとっての新たな収益源に成長していく」と訴える。
パートナー各社と一体となった協業ビジネスを展開し、日本におけるエッジ・コンピューティング市場の拡大に臨んでいく、これがパートナーとの協働を通してレノボが描く戦略だ。


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