Special Issue
シュナイダーエレクトリック AIやDXで変遷するサーバー環境に最先端のインフラソリューションを UPSやPDU、冷却、インフラ管理まで幅広いラインアップが強み
2025/02/13 09:00
週刊BCN 2025年02月10日vol.2047掲載
ハイエンドのAIサーバーから
エッジで稼働するサーバーまで幅広くインフラを支える
新たにパートナー営業本部本部長に就任した澤田国治氏は、これまでハードウェアベンダーでパートナー営業を歴任してきた人物だ。その同氏は「シュナイダーのビジネスは現在勢いに乗っている」と笑顔を見せる。クラウドへの移行が進み企業のオンプレミスサーバー市場は成長が緩やかになったが、最近ではDX実現の手段で店舗や倉庫、工場などのエッジ環境にサーバーを配置する新たなニーズが生まれており、UPSをはじめとしたITインフラの需要も併せて発生している。
パートナー営業本部本部長
澤田国治
一方でAIの活況を支えるGPUサーバーは、一般的なサーバーに比べて消費電力が桁違いに大きいため発熱量も高く、高度な電源供給力と冷却設備を備えた最新鋭のデータセンターが必要だ。そうした現場でもシュナイダーの先進的なインフラソリューションが導入されている。「エンドツーエンドでのインフラソリューションを持ち、空調やPDUなどを含めたインフラソリューションをトータルで提供できるところが、現在の市場における当社の強みだ」と澤田本部長は説明する。

長寿命、小型軽量モジュラー型UPS
「Smart-UPS Modular Ultra」が好調な滑り出し
シュナイダーが24年4月から販売を開始した「Smart-UPS Modular Ultra」はリチウムイオン採用の単相UPSでは初のモジュラー型UPSだ。従来機種と比べてバッテリー寿命は約4倍、体積は約半分、重量は4割ほど削減しており、すでに顧客から評価の声が届いているという。
「今はGPUサーバーに注目が集まるものの、従来型サーバーもまだまだニーズはあり、そうした場面でSmart-UPS Modular Ultraは非常にマッチする」と澤田本部長は語る。例えば、ラックのスペースに余裕がない、あるいは重いものを置けないようなオフィスのサーバールームや倉庫にも、小型で軽量な同ソリューションは設置可能だ。
TIME誌の「World’s Most Sustainable Companies of 2024」No.1に選出されたシュナイダーエレクトリックは、Smart-UPS Modular Ultra開発においても、サステナビリティを重視しており、従来製品と比べるとプラスチック原料を80%削減し、リサイクル可能な原料を用いている。2月から日本でもリチウムイオンバッテリーの引き取りを開始したこともその一環だ。
Smart-UPS Modular Ultraはモジュールを追加するだけで容量を拡張できるため、柔軟にサーバーを増設できる。この特徴を受けて、あるコールセンターでは発売直後に同ソリューションを導入した。昨今のコールセンターでは電話だけではなく、チャットやメール、さらにはAI利用も進みつつあり、それらを支えるITインフラ環境が欠かせない。特に、コールセンターに問い合わせが急増する新製品リリースやキャンペーン開催中には、対応力を迅速に増強する必要があるため、モジュール型のSmart UPS Modular Ultraは適していたのだ。
パートナーへの理解を深め
戦略にアラインした提案をプロアクティブに
25年以降の活動について澤田本部長は「今まで以上にパートナーを深く理解する必要がある。各パートナーの戦略に当社がアラインできるように、これまで以上にプロアクティブなアプローチをしていきたい」と話す。例えばAI活用を目指している顧客企業に対して、パートナーとともに大容量のPDUや冷却ソリューションを提供することも考えられるだろう。なおシュナイダーは24年に米国の冷却設備メーカーであるMotivairの買収を発表している。Motivairは、高信頼性・高効率のデータセンター向け精密空調やサーバー向けの液体冷却装置で知られる企業だ。シュナイダーエレクトリックは同社の買収を通して製品ラインアップの拡充や技術力の強化を図っており、市場における競争力の向上が期待される。
「常にパートナーとその先のエンドユーザーに寄り添い、最適な提案をプロアクティブに行い、ITインフラ市場を盛りあげていきたい」と、澤田本部長は今後の目標を熱く語った。
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