Special Issue
上原郁磨・執行役員に聞く、SBテクノロジーのAIビジネスと「dailyAI」の魅力
2025/01/06 09:00
マイクロソフトとの強固なパートナーシップをベースにAIビジネスも展開、全方位でユーザーのニーズに応える
――まず、AIビジネスに対する取り組みの全体像を聞かせてください。上原氏 当社は、大手法人・公共向けにビジネスを展開しているICT企業で、クラウド、セキュリティー、AIの三つの事業領域を核に大きく成長しています。特に、マイクロソフトとは強固なパートナーシップを持ち、同社ソリューションパートナーの上位認定資格「Specialization」において、「Microsoft AzureのAIおよびMachine Learning」のほか、モダンワークやセキュリティーなどの複数領域でも取得しています。さらに当社は、「Microsoft Cloud Partner Program」に設けられたソリューションパートナー認定制度の全6つのソリューション分野すべてで「ソリューションパートナー」となった数少ない企業でもあります。この認定は、高い技術力と豊富な実績を証明したパートナーに与えられるものです。
AIビジネスについては、投資を拡大するとともに社内実践を積極的に進めています。Azure OpenAI Serviceを社内データと接続して全社員約1100人が利用しており、例えば、手元のデータをアップして生成AIで要約・修正・分析し、生産性向上を実現しています。11月には「Microsoft 365 Copilot」も全社に導入しました。
AIの販売戦略では、Azure OpenAI Serviceの個別開発、23年11月にリリースした生成AIサービスのdailyAI、そしてMicrosoft 365 Copilotをすみ分けることで、全方位で幅広い業界ニーズに対応します。また我々が直接提供するだけでなく、パートナー様と協力しさらなる販売強化を図ります。なお、dailyAIとMicrosoft 365 Copilotのサービスの立ち位置の違いですが、dailyAIはお客様の業務や人を中心に業務スタイルを変革させるアクションに特化させ、業務別や役職別などで使いやすいサービスを目指しています。一方、Microsoft 365 CopilotはMicrosoft 365 製品を中心に業務効率を上げ生産性を高める、また求めるアウトプットに応じて社内データを有効活用するなど、両方の特徴やメリットを活かしながら推進しています。
ユーザー数無制限で簡単に利用可能、トップダウンの導入が多数を占める
――生成AIサービスのdailyAIの特徴、強みを教えてください。上原氏 dailyAIは、法人向けの生成AIサービスで、直感的なユーザーインターフェースにより誰でも簡単に生成AIを利用できます。メール作成、情報要約・抽出、資料作成、資料分析、チェック・壁打ちなどカテゴリー別に豊富なプロンプトを用意しており、生成AIを使い慣れていない方でも用途に応じてプロンプトを選ぶだけで済みます。よく使うプロンプトはお気に入り登録ができるので、再利用も容易です。
もう一つは、ユーザー数無制限で、契約で決めたトークン数上限まで利用できる安心の定額制であることです。他社サービスはユーザー単位の課金がほとんどのため、コストを考えて一部署などスモールスタートになりがちですが、dailyAIは、気軽に全社で利用できるため、トップダウンでの導入が多くを占めています。生成AIの利用で懸念されるセキュリティー面も強く考慮しており、セキュアで安全かつお客様の個別環境で提供しています。
――24年9月にはサービスをリニューアルされました。
上原氏 リニューアルで、OpenAI社の最新言語モデル「GPT-4o mini」に対応しました。サービスラインアップは「lite(ライト)」が10万円/月、「standard(スタンダード)」が18万円/月の二つのコースを用意、liteは従来から提供しているチャットからダイレクトに質問する「ダイレクトトーク」およびWebブラウザーにファイルをアップロードして利用できる「アップロードファイル」機能を提供しています。standardはそれに加えて「社内ファイル」機能が利用できます。これはSharePoint Onlineと連携し、ドキュメントライブラリーへファイルを保存するだけで社内データを生成AIに活用できる機能です。dailyAIがSharePoint Online上にアップした膨大なファイルを検索して、適切な回答をしてくれます。
さまざまな業種で利用、大幅な時間短縮を実現した例も
――サービス開始から1年が経過しましたが、ユーザーの反響はいかがでしょうか。また、どのようなユーザーに、どういった活用がされていますか。上原氏 これまでに、導入またはPOC導入含めて約100社が利用しています。ユーザーの規模、業種・業務の隔たりはなく、幅広い分野のさまざまな規模の企業に導入されています。アップロードファイルでの利用は主に資料作成における構成や内容チェックの効率化、議事録からタスク抽出、長文資料の要約になります。社内ファイルの活用では主に社内情報の検索効率化、社内ヘルプデスク負荷軽減、ナレッジ検索として活用されています。ダイレクトトークでは、メールの件名や本文作成などの効率化、施策のアイデア出し、課題や悩みをAIに相談する壁打ち相手として活用されています。
また、AIを社員が活用できるのかと不安を持たれているお客様に向けては、社員のスキルに合わせた教育プランを提案するなど、一貫してサポートします。
――すでに効果を上げられているケースはありますか。
上原氏 効果の定量化は難しいですが、一例として、商談の事前準備への活用があります。このケースでは、お客様との商談に備えて市場動向を把握したいが、多くのリサーチデータを読む時間がないため、dailyAIにリサーチデータを要約してもらい読み込む時間を大幅に短縮できたというものです。自らデータを読み込んで理解する場合、1時間程度を必要としたものを、わずか5分程度に短縮しています。
ほかにも、商談に向けた事前準備として、商談の進め方やアジェンダを第三者目線で考えたいというケースで、dailyAIが資料内容を客観的に評価することで、資料チェックにかかる時間を3時間から30分程度に短縮した例などがあります。
――今後の展開について教えてください。
上原氏 我々のサービスの販売パートナー企業は100社を超え、自社サービス取引企業は累積で1200社にのぼります。今後さらに、dailyAIを扱っていただくパートナーの方々を増やしていくとともに、教育を含めたサポート体制も拡充していきます。合わせて、いち早く最新のAIモデルに対応し、ソフトバンクのグループとしての総合力を生かし、生成AIの技術トレンドに追随してサービスの拡張を続けていきます。
生成AIサービス「daily AI」=https://www.softbanktech.co.jp/service/list/dailyai/
SBテクノロジー 公式ホームページ=https://www.softbanktech.co.jp/
SBテクノロジー 誰でも簡単に使える生成 AI サービス「dailyAI」のご紹介
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