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MSPの複雑なセキュリティ運用を解消する統合プラットフォームの力──その具体的な内容と効果に迫る

2024/12/06 09:00

 マネージドサービスプロバイダー(MSP)は現在、多様なベンダーの製品を扱う煩雑な運用、知見不足、そしてコスト負担など、複雑化するサイバーセキュリティの課題に直面している。このような状況で注目されるのが、セキュリティプラットフォームの統合だ。効率化とサービス品質の向上を両立する統合ソリューションは、MSPの競争力を高めるカギとなるだろう。本記事では、統合プラットフォームがもたらすメリットと、それを提供するソフォスの強みについて解説する。

知見不足と複数ベンダー運用の壁に直面するMSP

 昨今、多くのマネージドサービスプロバイダー(MSP)は、サイバーセキュリティの管理において複雑な課題を抱えている。その一つがセキュリティに関する知見の不足から、EDRやファイアウォール、フォレンジックツール、アンチウイルスなどの製品を複数のベンダーから個別に導入し、そのまま自社サービスとして提供するケースが多い点だ。こうしたアプローチはなぜMSPにとってデメリットが大きく、それが課題となっているのか見ていこう。

 まず、異なるベンダーの製品が連携していない場合、サイバー攻撃が発生した際の全体像を把握することが難しくなる。例えばファイアウォールがアラートを発したらそれに個別対応しなくてはならず、本来重要である攻撃経路の追跡までカバーできなくなる。また、MSP自体がインシデントレスポンスの専門家ではないため、複雑なセキュリティイベントへの対応力が不足していることも少なくない。
 
複数のベンダーを使っているMSPの数はけっして少なくない

 さらに、複数のベンダーから製品を導入して運用し、さらにサポートも行う体制を整えるだけでも多くのコストが発生してしまう。このような状況下では、各ツールが連携していない限り、どのようなサイバー攻撃に対してどういった対処を実施したのか、その結果はどうなったのかを明確にするのは難しくなる。そして、次なるセキュリティ対策にもつなげることもできない。

多様なセキュリティ課題を一挙に解消する“統合”の力

 このような背景から近年、MSPにおいてサイバーセキュリティプラットフォームの統合が重要視されている。単一のプラットフォームを導入することで、複数のツールを効率的に管理でき、日常業務の負担も大幅に軽減されるからだ。

 ある調査によれば、現在複数のプラットフォームを使用しているMSPが単一のプラットフォームに移行した場合、日々の管理時間を平均48%削減できるという。特に6社以上のサイバーセキュリティベンダーと連携しているMSPでは、この時間削減率が69%にも達すると試算されている。
 
使用しているベンダー数が少なくなれば
日々の管理時間の削減も見込める

 一方で顧客のニーズも変化している。多くの顧客はMSPに対し、セキュリティ製品の単なる運用代行だけでなく、各製品が連携した統合的なソリューションを求めるようになってきた。このような要望に応えるためには、幅広いソリューションを提供できる単一のベンダーを選択することが必要であり、それはMSPにとって重要な戦略だといえるだろう。

 セキュリティプラットフォームの統合が現実的な解決策となり得る背景には、複雑な運用体制に伴うさまざまな課題がある。

 まず、複数のセキュリティベンダーのツールを扱う運用は、単に管理が煩雑であるだけでなく、適切な対応に支障をきたす要因にもなる。例えば個別のツールで生成されるアラートやログを統合せずに処理する場合、攻撃の全体像を見失いやすい。また、それぞれのツールの特性や運用ルールを把握する必要があり、貴重なリソースが分散してしまう。

 しかし統合されたセキュリティプラットフォームを採用すれば、これらの問題を効果的に解決可能だ。例えば各ツールが連携してデータを一元的に管理できるため、攻撃経路の追跡や防御効果の検証が迅速かつ的確に行えるようになる。また、顧客への報告や説明に必要な情報の整理も容易になり、サービスの質と顧客満足度の向上に寄与する。

 セキュリティプラットフォームの統合は、セキュリティサービスの質を向上させ、顧客満足度を高めさらにはMSP自身の収益性向上にも直結する。多様な課題を抱える中、統一された次世代のセキュリティプラットフォームをMSPがどのように活用するかが、今後の競争力を左右するポイントとなるのだ。

高度な統合とサポートで課題を解消するソフォスの統合プラットフォーム

 MSPのさまざまな課題に対し効果的な解決策を提供するのが、セキュリティベンダーのソフォスだ。同社の統合プラットフォームは、複数の自社製および他社製セキュリティツールを一元的に管理する機能を備えている。つまり、EDRやファイアウォール、アンチウイルスなどの各種ツールを連携させ、攻撃経路の追跡や防御の効果を迅速かつ正確に分析することを可能にするのだ。また、単一プラットフォームでツールを統合することで、運用を簡素化し管理時間を大幅に短縮させる。

 ソフォスは単にツールを提供するだけではなく、MSPが求める専門的サポートも充実している。世界で最も信頼され、25000社以上の組織を保護してきた実績を持つ「Sophos MDR」サービスでは、高度な知見を有する専門家が24時間体制で脅威の監視や対応を行う。インシデントが発生した際にも、顧客とMSPそしてソフォスの3社間で協議しながら対応することも可能だ。

 MSPにとって統合プラットフォームの活用は、単なる選択肢ではなく、競争力を強化するための欠かせない戦略といえるだろう。そしてソフォスの統合プラットフォームこそが、その最適解である。
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外部リンク

ソフォス=https://www.sophos.com/ja-jp/partners/managed-service-providers?cmp=701aJ000006HuojQAC