SB C＆Sは、国内外の最新のセキュリティー製品を取りそろえているのに加えて、充実した支援体制を構築することで、販売パートナーのセキュリティービジネス強化をサポートしている。サイバー攻撃による被害が拡大する中、セキュリティーニーズは大きく高まっており、市場には大きなビジネスチャンスが広がっている。セキュリティー事業をどのように成長させていくのか、友秀貴・執行役員（ICT事業 首都圏エンタープライズ営業担当）とマーケティングを担当する山名広朗・ICT事業本部 ネットワーク＆セキュリティ推進本部長に戦略を聞いた。
   

国内外の最新製品をそろえる

　サイバー攻撃が増加・巧妙化が進み、国内でも多くの被害が発生している。安定した事業の継続、そして、クラウドシフトやAI活用といったDXの推進を図るために、セキュリティー対策強化は規模や業種を問わず全ての企業の重要課題となっており、関心が高まっている。友執行役員は「セキュリティーの取り組みを強化する企業が増加する中で、必然的に販売パートナー様と一緒に提案する機会が大きく増えている」と傾向を語る。
 
　同社は、拡大するセキュリティーニーズに合わせてさまざまな施策を展開することで、販売パートナーのビジネスをサポートしている。その中で強みとなるのが、同社の目利きのプロが厳選した国内外の最新のセキュリティー製品をそろえていることだ。1月にサイバー攻撃対策の新たなフレームワークCTEM（Continuous Threat Exposure Management）を手掛けるイスラエルのXM Cyber（エックスエムサイバー）、9月にはクラウドセキュリティープラットフォームCNAPP（Cloud Native Application Protection Platform）を手掛ける米Wiz（ウィズ）とディストリビューター契約を結ぶなど、これから需要が高まる領域の製品の取り扱いをいち早く開始した。取り扱う製品の選定について山名本部長は「チャネル構造をはじめ日本の市場環境や文化を理解していただき、投資を検討しているメーカーの皆様と協業を進めている。メーカー側も、当社の販路と技術力に魅力を感じており、安心して任せられると評価をいただいている」と述べる。またセキュリティー市場は、買収によるメーカーの統合など動きも多いため、最新の市場動向を販売パートナーに伝えられる点も付加価値となっている。

「セキュリティ製品ソムリエ」が課題を解決

　しかし、サイバー攻撃の傾向に合わせて、次々と製品が生まれ続けている中では、販売パートナーにとって最新のテクノロジーを全て理解して、提案するのは難しいことだ。そこで活躍するのがセキュリティー専門組織であるゼロトラスト推進室に属する「セキュリティ製品ソムリエ」だ。製品比較をはじめとした情報提供、新規商材と従来商材を融合させたソリューション展開、エンドユーザーの環境に合わせた製品選定などを行い販売パートナーの抱える悩みや課題を解決、セキュリティ製品ソムリエが活動する案件は急増中だとする。友執行役員は「販売パートナー様、エンドユーザーが必要とするモノを的確に提案できるのは大きな強みだ」と述べる。セキュリティ製品ソムリエによる支援に加えて、勉強会・トレーニング、セキュリティーショーケースといったイベントなど販売推進活動の拡充にも注力している。

販売パートナー様からのフィードバックを生かす

　このような充実した支援体制が取れるのは、営業とマーケティングが密に連携しているからだ。山名本部長は「日頃から営業がお客様とコミュニケーションを図り、フォローできているからこそ最新の情報を適切に届けられる。そして、お客様からのフィードバックを営業から聞くことで、目利きをはじめさまざまな部分に生かすことができる」と自社の強みを強調する。

　ビジネスの拡大に向けては「販売パートナー様やエンドユーザーとセキュリティー市場の間にまだギャップがある。われわれが最新トレンドなどをかみ砕いて分かりやすいメッセージで発信するのが重要だ」と山名本部長は語る。今後も、さまざまな取り組みを進めることで、日本のセキュリティーレベルの向上を目指していく。