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SB C&Sが取り組む変革 リカーリングビジネス 専門部隊による独自のサポートを提供

2024/12/05 09:00

週刊BCN 2024年12月02日vol.2039 第2部掲載

 SB C&Sは成長戦略の一つに「リカーリング(継続収入)モデルの拡大」を掲げるなど、長年、リカーリングビジネスの強化を進めてきた。2023年度には、リカーリングビジネスが同社グループの利益の50%超を占めるまでに拡大。その中心となっているのが、クラウドと通信だ。DXの推進やAI利用が進む中で、需要が拡大する両分野においてはどのような戦略で販売パートナーを支援していくのか。ICT事業クラウドサービス・技術推進担当の守谷克己・執行役員とICT事業広域営業/通信・リカーリング販売推進担当の仲畠太士・執行役員に聞いた。
 
 

SaaSに注力できる環境を提供

 業務でSaaSを活用する企業は大幅に増加していることから、市場では、さまざまなSaaSが誕生している。同社は、各ジャンルの有力メーカーをほぼ網羅し、取り扱うSaaSは300以上となった。ビジネスチャンスが広がるSaaS市場に販売パートナーが積極的に参入できるようするため、2年前にマーケティング、セールス、カスタマーサクセス機能を提供し、トータルで販売パートナーのSaaSビジネスを支援する専任チーム「Cloud Service Concierge」を発足した。立ち上げ以降、積極的な営業とマーケティングを展開したことが奏功し、現在は月間でのSaaS関連の問い合わせは1200件以上、Cloud Service Conciergeを利用する販売パートナー数も年間で700を超えているという。守谷執行役員は「販売パートナー様が、SaaSを提案する機会が増えたことに伴い、Cloud Service Conciergeの認知度も向上している」と手応えを語る。
 

 また、コラボレーション、HR(Human Resource)、バックオフィスやMarketing/Salesなどの領域で高いシェアを持つSaaSを「注力SaaS」として位置付け、専門チームを設けて販売を強化することで、売り上げも大きく伸長している。

 システム面では、サブスクリプション契約・更新管理のためのプラットフォーム「ClouDX」を開発・提供している。SaaSごとに異なるライセンスなどを一括で管理できるのが特徴だ。現在は、約200のメーカーに対応、契約件数は25万件以上になったという。仲畠執行役員は「パートナービジネスにおいて、切っても切り離せないシステムになった。今後もさらに進化させていく」と力を込める。地方の場合、首都圏と比較するとSaaSの利用拡大はまだ緩やかな状況にある。現在、約100人体制のSaaS部門の増強をはじめと支援を強化し、日本のDX推進を後押しする。

進化するMicrosoftビジネス

 クラウド分野では、米Microsoft(マイクロソフト)製品のビジネス拡大にも長年、注力しており、「Microsoft 365相談センター」と「Azure相談センター」を開設するなど、独自の販売パートナー支援体制を設けており、両センターへの相談件数も急増中だ。最近の傾向として、AIの活用を目指す企業が増えている中で、「Azure OpenAI Service」への関心が高まっているという。加えて企業のAI活用を促進するため、マイクロソフトがアプリケーション開発サービス「Microsoft Copilot Studio」や「Azure AI Studio」といったAI関連のソリューションを大幅に増やしていることにも対応している。

 こうした流れは、販売パートナーにとっても大きな追い風になるが、AIの技術を取得し、エンドユーザーの分かりやすく適切な提案を行うのは容易ではない。そうした課題を解決に向けて同社では、販売パートナーがマイクロソフトのAIソリューションに関する技術を取得できるように、セミナーやハンズオントレーニングを実施するなど支援体制の充実を図っている。守谷執行役員は「マイクロソフトとの連携をさらに深めることで、いち早く販売パートナー様に情報提供していきたい」と力を込める。

ネットワークサービス+IT +SaaSをワンストップで支援

 リカーリング事業のもう一つの柱となるのが通信だ。ソフトバンクのグループ企業としての強みを生かし、モバイル回線からデータ回線まで幅広いWANのサービスを取りそろえている。営業面では、全国約200人のネットワークサービス専門組織が販売パートナーを支援しており、積極的にネットワークサービスを販売するパートナー企業が増加傾向にある。

 仲畠執行役員は「ソフトバンクの法人向けの通信回線を当社のチャネルを通じて展開することに大きな意義がある。販売パートナー様に、通信、IT、SaaSをワンストップで支援できる体制はほかにはなく、当社の大きな強みだ」と語る。クラウド導入やセキュリティー強化といった際に、通信も一緒の検討するエンドユーザーが増えていることから、自社の強みを生かした伴走支援で、販売パートナー各社の成長に寄与していく。
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外部リンク

SB C&S=https://cas.softbank.jp/