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レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ DISとレノボの協業で加速する中堅・中小企業のDX AI活況の日本ITインフラ市場の多様なニーズに応える「伴走型支援」

2024/11/28 09:00

週刊BCN 2024年11月25日vol.2038掲載

 DX推進やAI活用などが起爆剤となり、日本のITインフラ市場は急速に活発化している。これを受けて、ダイワボウ情報システム(DIS)とレノボ・エンタープライズ・ソリューションズ(レノボ)が協業し、中堅・中小企業へのDX支援を強化している。両社の取り組みについて、レノボの多田直哉代表取締役社長と、DISの竹渕正治取締役が対談を行った。

DXやAIがけん引し活況を呈する日本のIT市場
レノボが期待するDISとのパートナーシップ

──まず、お二人の現在のミッションについてお聞かせください。

竹渕 DISが取り扱う製品の仕入れやプロモーション、そして営業支援部隊を統括する販売推進本部の責任者を今年4月から務めています。
 
ダイワボウ情報システム
取締役 販売推進本部長
竹渕正治

多田 私はレノボのインフラストラクチャー・ソリューションズ・グループで、日本市場の責任者をしています。レノボグループ全体としては、サーバーやPC、そしてモトローラのモバイルデバイスなど、ポケットからクラウドまで幅広い製品を手掛けているのが特徴です。
 
レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ
代表取締役社長
多田直哉

──多田さんから見た海外視点の日本市場と、DISへの期待について教えてください。

多田 世界的にDXやAIが活況を呈するに伴って投資規模が拡大しており、日本ももちろん例外ではありません。そのような状況において、北海道から九州・沖縄まで、全国的なカバレッジを持つDISさんとの協力関係は非常に心強いです。

竹渕 そのようにおっしゃっていただき、非常にありがたいです。当社は地域密着を掲げ、約1万9000社のパートナーとともに各都道府県へ拠点を置き全国すみずみまで販売網を構築しています。レノボさんとの取引開始以降、20年以上にわたって一緒にビジネスを展開してきました。今後も、全国の中堅・中小企業のDXやAI活用にもさらに貢献していきたいと考えています。

──日本のITインフラ市場の動向について、DISはどう見ていますか。

竹渕 日本のITインフラ市場においても、大手企業を中心に非常に活発な投資が行われています。特にAI関連の注目度が急増し、設備投資の検討に大きく影響していることを実感しています。2024年第1四半期の実績では、データセンターや研究施設を中心にGPUサーバーやハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)の商談が増加しています。また、大手企業だけでなく、中堅クラスの企業でもAIやインフラ系の設備投資が積極的に行われています。AIを中心としたインフラ投資意欲は今後さらに高まるでしょう。

DXとAIで伴走 中堅・中小企業支援を展開

──現在の市場動向を受けてのDISのビジネス展開を教えてください。

竹渕 日本の中堅・中小企業では、ITツールを活用した業務効率化がかなり進んでいます。例えば、当社が提供するサブスクリプション管理ポータル「iKAZUCHI(雷)」の製品群は好評を博しています。しかし、DXの本質とも言える、データ活用によるビジネスモデルの変革は途上段階なのが現状です。
このビジネス変革が進まない要因の一つに推進者となるDX人材の不足があげられます。そして、この課題は販売パートナーも例外ではありません。

 このような課題に対しDISでは、DX人材に必要な基礎知識と実践的スキルの習得を伴走型で支援するための教育サービスを体系化したDX教育サービスを展開中です。そのアプローチの一つとして、まずは販売パートナーにDX教育サービスを活用いただき、パートナー自身のDX人材育成、DXの実践を支援しています。今、DISも含めIT事業者には顧客のDX推進を支援するために、まずは自分たち自身が率先してDXを実践する必要があると感じています。そこから得た知見やスキル、ノウハウをエンドユーザーに提供し、エンドユーザーのDX実践・AI活用推進に貢献するような伴走型の支援を提供していきたいと考えています。

多田 DISさんが提供する教育サービスの充実ぶりは素晴らしいと思っています。DXやAIの導入には、テクノロジーが人間を一方的に引っ張るのではなく、顧客が何を求めているのかを理解し、伴走しながらテクノロジーを提供することが重要です。レノボは製品開発を含め、顧客の意向を尊重しつつ一貫して伴走しながら、必要なテクノロジーを提供していきたいと考えています。

高信頼かつ静音で小型化したタワーサーバーなど 多様な顧客ニーズ対応の製品開発とサービス提供

──市場動向を受け、レノボではどのような製品展開に注力していますか。

多田 レノボでは、すべての製品におけるあらゆる要素について、顧客のニーズに応じた開発を進めています。今後の日本のDXを大きくけん引する中堅・中小企業向けに重視しているのが、製品の静寂性やサイズ、そしてセキュリティーです。例えばエッジサーバーでは、冷却ファンを取り除いた設計にすることで静音性を実現しています。それに加え、サイズも従来の半分にまで小型化して、置き場所を問わず快適に利用できるように改良しました。また、組み込みソフトウェア「ThinkShield」を搭載することで、オンプレミス環境での運用でも高度なセキュリティーを実現できるようにしています。
 

 同じコンセプトは、タワーサーバーにも当てはまります。エントリーモデルである「Lenovo ThinkSystem ST50 V3」は、他のタワー型サーバーの半分のサイズです。静音設計も施され、ThinkShieldでのセキュリティーも提供されます。もちろん、長く安定してお使いいただく上での信頼性も高く、グローバルなx86サーバー信頼性第三者調査においてもトップの評価をいただいております。

竹渕 エッジ・タワーサーバーの市場についても、中堅・中小企業を含めてクラウドに一度移行したユーザーがオンプレミスに回帰するという傾向が目立ってきています。ニーズを的確に踏まえた取り組みと強く思いました。

多田 ありがとうございます。さらに、私たちはサステナビリティーの追求にも力を入れています。電力消費効率を高められるプロセッサーや電源ユニットの採用をはじめとし、廃棄物削減に貢献する機器買取サービスも提供しています。さらに、社会全体として取り組むべきカーボンニュートラル対応について、サーバーなど機器購入時に5年間のCO2排出量をオフセットする「CO2オフセット・サービス」も提供しています。CO2排出量に見合ったクレジットをご購入いただければ、そのクレジットを国連承認の環境プロジェクトに投資する第三者機関からの証明書が発行されます。カーボンニュートラル対応にお困りの中堅・中小企業のお客様にとって、手軽に排出量の見える化が実現でき、かつグローバル環境プロジェクトへの貢献という経営アクションとしてステークホルダーに報告していただけます。

ポケット~クラウドまでをカバーするパートナー 初期投資や運用人材不足を解決するIaaS

──DISから見たレノボの製品・ソリューション、そしてパートナー企業としてのメリットについてお聞かせください。

竹渕 レノボさんとは20年以上のお付き合いがあります。とくにポケットからクラウドまでをすべてカバーするその広範な製品ラインアップは、ディストリビューターとしても非常に扱いやすいです。

 いま期待しているのは「TruScale」というIaaS型のサービスです。初期投資が少なく、また運用監視をすべてレノボさん側で一括で行うため、慢性的なIT管理者不足に悩む中堅・中小企業にとって非常に魅力的なサービスだと思います。他のベンダーが大手企業を対象にした価格設定を行う中、レノボさんは最初から中堅・中小企業を対象にしている点がありがたいですね。

多田 DISさんのサービス力と全国的なカバレッジ、そしてレノボのテクノロジーとサービスを組み合わせて、ぜひ一緒に成長していきましょう。

レノボとDISの協業で伴走型支援をさらに強化へ

──最後に、今後の展開について、両社のパートナーシップへの期待も含めて語ってください。

竹渕 DX推進やAI活用の目まぐるしい変化に対応するには、エンドユーザー、パートナー、ベンダー、そして当社が一丸となって取り組むことが必要不可欠です。最先端の技術やサービスをレノボさんに提供していただきつつ、それをエンドユーザーに最大限ご享受いただけるよう、先述したパートナー教育を通じて、当社とパートナーが伴走し、パートナーがエンドユーザーと伴走していく、そのような仕組みづくりを目指しています。

多田 今後の展開において、当社は二つの観点を大切にしています。一つは、何度もお話した「顧客と伴走する姿勢」であり、二つめは「DISさんとの協業が必須」という点です。全国の顧客が望むことを実現するためのサポートを全力で行うのは、当社だけでは達成できません。だからこそ、DISさんとの協業をより強化していきたいのです。
 
インテル® Xeon® プロセッサー
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外部リンク

レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ=https://www.lenovo.com/jp/ja/

Lenovo=https://www.lenovo.com/jp/ja/servers-storage/

ダイワボウ情報システム=https://www.pc-daiwabo.co.jp/