Special Issue

データ・アプリケーション 自治体情報システム標準化対応の解決策とは ノーコードでデータ連携や移行を実現

2024/10/03 09:00

週刊BCN 2024年09月30日vol.2031掲載

 データ・アプリケーションのセッション「自治体情報システム標準化対応の最前線:ACMS Apexの活用法」では、プロダクトマーケティンググループ・グループマネージャーの黒渕達也氏が登壇した。地方公共団体情報システムの標準化に関する法律(標準化法)により、地方公共団体は統一的な基準に適合した情報システムを利用することが定められた。移行期限は2025年度末までだが、代替の調達見込みが立たず移行が進まないシステムが多くある。「既存業務システムからのデータ移行、標準準拠に伴う連携先のインターフェース変更、標準準拠システムのデータ活用など、データに関するさまざまな課題について、自治体や自治体を支援するSIerから相談を受けている」(黒渕氏)。

データ・アプリケーション
マーケティング本部 プロダクトマーケティンググループ
グループマネージャー
黒渕達也氏

 これらの課題の解決策となりうるのが、データ・アプリケーションのデータ連携プラットフォーム「ACMS Apex」と、データハンドリングプラットフォーム「RACCOON」だ。ACMS ApexはFTPやWeb APIなどで異なるアプリケーション間を連携したり、データレイアウトや文字コードの違いを吸収したりと、高度なデータ変換や加工機能も備えており、JIS規格外の文字を多用する自治体情報システムなら特に有効だ。また、高可用性やセキュリティー標準PCI DSSへの準拠といった安全性も備えている。

 RACCOONはデータ連携や移行に必要なデータ変換や加工をノーコードで実現できるプラットフォームで、ACMS Apexに標準搭載されている。データ移行やバッチ的なデータ変換ならこのRACCOON単体でも実行可能だ。

 ある自治体では、ガバメントクラウドに構築した標準化準拠システムと庁内にあるオンプレミスの既存業務システムの間でデータ連携が必要となり、ACMS Apexでデータ連携基盤を構築した。ACMS Apexが標準化システムからデータが出力されたことを検知するとファイルを取得し、業務システムに合わせて変換、業務システムの共有フォルダーに配置する。また別の自治体ではメインフレームで稼働していたシステムを標準化準拠システムへと更改するのに伴い、メーカー系漢字コードからUnicodeへの変換を実施。RACCOON単体で約4000万レコードを変換した。

 豊富なアダプターであらゆる連携に対応可能で、スケールアップ・スケールアウトの柔軟性、高可用性・セキュリティー対策、アクセス制御やデータ漏えい・不正アクセスを防止などのガバナンスのための機能といった、自治体システム標準化を進める上で最適な特徴を備えるACMS Apex。「課題解決のための選択肢として検討いただきたい」と、黒渕氏は講演を締めくくった。
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外部リンク

データ・アプリケーション=https://www.dal.co.jp/