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サードウェーブをひも解く 製品開発と品質試験 性能に裏付けられた機能美と徹底した品質へのこだわり

2024/08/29 09:00

週刊BCN 2024年08月26日vol.2027 第2部掲載

 多くのメーカーからさまざまなPCが販売されているが、価格帯が同じであれば性能やデザインに違いがあまり見られないのが実情である。そうした中で、キラリと輝く個性を放っているのが、サードウェーブのPCだ。もちろん単なる見かけだけではない。背後では妥協を許さない徹底した品質への取り組みが行われている。執行役員であり技術開発統括本部の統括本部長を務める佐藤和仁氏にそのこだわりを聞いた。

性能と操作性に裏付けられた“機能美”を追求

 長期にわたって愛着を感じてもらえるPCを提供するための必須要件として、サードウェーブは品質向上に対しても徹底した取り組みを行っている。こだわりは部品選定の段階から始まる。例えば新たな主要パーツを採用する際は、単にサンプルを取り寄せてスペックを確認するだけでなく、そのメーカーの工場まで直接足を運び、自らの目で製造ライン一人一人の動きまで確認している。「実際にどのような製造ラインでそのユニットが作られ、品質が維持されているのか。原材料の品質管理から製造や出荷など各工程での品質管理、そしてトレーサビリティーに至るまで、全般的なモノづくりの体制をチェックしてランク付けを行い、私たちの基準を満たしたメーカーのユニットのみを採用している」と佐藤氏は説明する。
 
サードウェーブ
技術開発統括本部 執行役員 兼 統括本部長 
佐藤和仁

 こうして厳選されたパーツで作られた新製品に対して行っているのが、妥協を許さない徹底した耐久テストだ。
 
各部品に対して数多くのテスト・確認を行うことで
サードウェーブはPCの品質を維持している

 「各基本モデルの最高スペックの構成において摂氏40度の環境下でCPUやグラフィックボードに最大負荷をかけた状態で連続運転を行う。問題が発生しないかをテストすることで、クリエイターやゲーマーが使用する主なソフトウェアが安定的に動作するかどうかを、各パーツとの相性も含めてチェックしている」(佐藤氏)。
 
PCの心臓部分である電源ユニットにも
入念なテストを行っている
 
独自のサポート金具により
グラフィックボードを強固に支えている
 
高温多湿空間での使用にも耐えうるか
念入りにテストを行っている

輸送や設置時のトラブルに備え デスクトップPCの落下試験も実施

 しかし、どれだけ入念に作られたPCでもトラブルは起こり得る。特にリスクが高いのは輸送時や設置時だ。同社の製品開発チームはこうした課題へ真正面から向き合い、一つ一つ解決してきた。

 「グラフィックボードを支えるサポート金具を独自に作り、カードの右端を上下から挟み込むことで、振動や衝撃による脱落を防ぎ、さらに水平状態を保持できるようにした。この仕組みは輸送時や設置時の事故発生リスクを低減し、重量級グラフィックボードの垂れ下がりや基板の歪みなどの防止にも役立っている」と佐藤氏は説明する。

 さらに、サポート金具による効果を含めた製品の耐衝撃性を実証するべく、段ボールに梱包された状態でのデスクトップPCの落下試験も行っているという。

 さまざまな夢や希望を抱いてユーザーに購入してもらうPCだからこそ、その期待は決して裏切ってはならない。より良い“出会い”を通じて高品質のPCを届けることが、サードウェーブの製品開発における一貫したポリシーだ。
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外部リンク

サードウェーブ=https://info.twave.co.jp/index.html