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日本HP 堅牢で、使いやすく、サステナブルな日本HPのGIGAスクール向け端末 グローバルの教育市場を牽引するHPのデバイスでGIGAスクール構想 第2期を支援

2024/06/27 09:00

週刊BCN 2024年06月24日vol.2019掲載

 GIGAスクール構想が第2期へ進化していく上で、端末の堅牢性や新たに仕様に加わったペン、そして通信環境など、第1期で明らかになった課題を解決する必要がある。これらの課題を解決するために端末に施された改善点や、あらゆる児童生徒たちの利活用を最大化するための新たなソリューションについて、日本HPエンタープライズ営業統括営業戦略部の松本英樹部長に聞いた。

第2期へと突入するGIGAスクール構想求められる要件とは

 複数年かけて導入予定であった第1期のGIGAスクール構想は、コロナ禍により1年での整備が必要になり、さらには半導体不足の影響もあり、自治体は調達に苦労したが、ほぼすべての自治体が1人1台環境を整備できた。「国策で子どもに端末を1人1台配布した国は私が知る限りほかにない。日本のGIGAスクール動向は世界から注目されている」と松本部長は言う。日本の教育におけるデジタル化やICTの利活用は遅れていると指摘され続けてきたが、GIGAスクール構想によりその遅れを取り戻しつつある。
 
松本英樹
エンタープライズ営業統括
営業戦略部 部長

 そうして配布された第1期GIGAスクール構想の端末は、数年間の利用を経て、経年劣化による交換の時期を迎えている。また、学びの端末として本当に必要なスペックや、運用上の課題も明確になり、第2期を迎えるGIGAスクール構想では、それらの課題解決が必要とされている。

 第2期では端末1台当たり税込5万5000円の補助金が交付され、加えて15%の予備機も補助金対象となる。第1期から補助金額が増えたのは、端末コストの高騰と、国が求めるスペックを考慮してのことだ。また複数年にわたり端末を更新できるように、文部科学省の予算で都道府県ごとに基金をつくり、そこから各市区町村に補助金を交付するといった仕組みも整備される。

 GIGAスクール構想 第2期では、端末の利活用状況を客観的に把握することが求められているのも注視すべきポイントだ。ログインの有無やインターネットへのアクセスを可視化したり、ポータルサイトや学習支援ソフトウェアから利活用状況を取得したりと、利活用状況の把握方法は多岐にわたるが、「いずれにしても文部科学省が全国レベルで端末の活用状況をKPI管理しようとしている意義は大きい」と松本部長は述べる。

児童生徒用学習端末として堅牢性やバッテリー耐久性を強化

 経年によるバッテリー劣化はさることながら、児童生徒用端末ならではの最大の課題として、子どもが壊してしまう、いわゆる瑕疵による障害率の高さがある。日本HPが第2期のGIGAスクール構想向けとして発表したChromebookとWindows 11端末は、従来よりも堅牢性が高く、かつ学習に有効な機能を備え、そしてサステナビリティを配慮した改善が加えられている。

 学習端末は児童生徒が扱うため、落下や衝突、いたずらによる故障はどうしても避けられない。15%の予備機費用を超えて修理が必要な場合、その費用は自治体の負担となり、財政を圧迫する。そこで、なるべく追加の費用がかからないように、日本HPでは端末の堅牢性を高めた。「第1期で修理依頼が特に多かったヒンジやキーボードの強度をさらに強化した」と松本部長は胸を張る。

 堅牢性を高めると、その一方でどうしても重量が犠牲になってしまう。持ち帰り学習の機会も増えつつあることを考慮し、文部科学省が定める1.5キログラム以下を大きくクリアし、1.3キログラムまでの軽量化に成功した。コンバーチブルタイプとしては競合と比較してもかなりの軽量な製品だ。

 バッテリーの耐久性も売りだ。第1期の端末も、5年間の利用を想定した高耐久性バッテリーを搭載しており、HPを導入したユーザーからのバッテリー劣化による交換依頼は極めて少ない。また、長期保管の際にバッテリーの劣化を防ぐ出荷モードにも対応しているため、予備機の保管も安心だ。

ペンやカメラを児童生徒の学習用に強化。さらにサステナビリティにも配慮

 どれだけデジタル化が進んだとしても、自らの手で「書く」体験は教育において非常に重要だ。それを踏まえてGIGAスクール構想 第2期からは、従来からのタッチやキーボードに加え、タッチペンも文部科学省の標準仕様に追加となった。日本HPとしてもペンには力を入れており、純正品であれば画面に手がついてしまってもペン先だけを感知してくれる「パームリジェクション機能」に対応している。また圧力感度は4096段階に分かれており、細かい筆圧の変化を感知できるため、漢字を書いたり筆算を行ったり、図を描画したりする際も有効だ。ペン先の反対側には消しゴム機能もついているため、今後増えてくると予想される手書き教材やテストを行う際に時間を失わずに済む。

 ペンの活用を促進するにあたり、最大の課題は紛失だ。保護者に紛失したペンの再購入を求めるのは難しく、自治体側で予算を計上して購入しなければならない。しかし、純正品のペンは値段が高く、できる限り紛失は避けたいところだ。一般的な製品の場合、ペンの収納は端末の側面に差し込むスロットイン方式や本体横部分にマグネットで脱着するタイプが多く、これだと移動中に紛失するリスクが高い。そこで日本HPでは、キーボードの上部に充電機能付きペン収納トレーを設けた。スロットイン方式よりもペンの有無が目立つため、仮に紛失しても気づきやすい。そしてキーボードの上部なら、PCを閉じてしまえばペンが落ちることはなく、登下校や教室移動時の紛失を防げる。トレーはペン先をどちらの向きにしても充電可能で、充電中と満充電でランプの色を変えるなど分かりやすい見た目になっている。1回の充電で最大約20日間使用可能だ。
 
キーボードの上部に収納トレーがあるためペンが抜け落ちにくく、
仮になくしてもすぐに分かります

 もう一つ、教育に有効な改良点がカメラだ。近年の教科書は二次元コードで参考資料へのリンクを示していることが多い。しかし掲載されている二次元コードには、小さく印刷されているものや印刷がかすれているものもあり、端末のカメラで二次元コードが読み取れないといった不具合が第1期ではよく生じていた。それを踏まえて日本HPではオートフォーカス機能を搭載し、どのような二次元コードでも問題なく読み取れるようにした。

 サステナビリティにも配慮している。GIGAの端末はスペックが抑えられているため、なかなかリユース先が見つからず、第1期で使用した端末の廃棄を検討している自治体も多い。しかし、廃棄となると送料も含めて端末1台当たり数千円ほどの費用がかかってしまう。当然ながら導入台数も多いため、自治体としても相当な費用負担となる。

 この課題を解決し、さらにサステナビリティに貢献する機会へと変えてくれるのが、日本HPの「PCリユースプログラム for GIGA」だ。まず不要となった端末を日本HPが無料で引き取り、データ消去(除去レベル)を実施した上で、リファービッシュ(再生)品として生まれ変わらせ、スペックが低いGIGAの端末でも需要がある海外で再利用する。「環境に優しく、自治体の財政にも優しく、さらに他国の子どもたちにも優しいと、非常に強い反響をいただいている」(松本部長)

eSIM一体型端末や各種教育向けデバイスであらゆる子どもに教育を届ける

 デジタルな教育を進めていく上でWi-Fiは必須だが、整備が十分でない学校は少なくない。例えば施設が古くて配線工事が困難であり、Wi-Fiを新設できない学校は全国に存在する。また少子化が進む現在、統廃合を控えている学校に工事費用を投資するのは難しい。
 

 そこで日本HPでは、LTE回線を容量無制限で5年間利用できる端末を発表した。PCと一体型のeSIMを搭載しているため、SIMの紛失や誤配リスクはない。LTE対応であれば校内のWi-Fi環境を補完でき、さらに校外学習や自宅へ持ち帰った際も使える。5年分のLTE回線利用料は上乗せされるものの、校内ネットワーク環境の整備費用と比べれば安上がりになるケースは多い。

 サービスはKDDIのau回線をHPが借り受け、MVNO業者となることで実現した。例えば電波環境に難がある地域でも、日本HPからKDDIにアンテナ増強を要請できる。電波は学校関係者以外も使えるため、地域住民にとっても利益がある。

 日本HPの強みは端末だけではない。例えばカメラやスピーカーが一体化したWeb会議用システムも提供しており、遠隔授業で使えば教師を自動で追尾しつつ、音声をクリーンに拾ってくれる。不登校状態の子どもにも授業の内容をしっかりと届けられるのだ。また、プリンター付属のスキャナーで読み込んだ文字をオフィス製品で瞬時に翻訳することも可能だ。公立学校でも国際化が進んでいる中、日本語を母国語としない生徒もこれなら授業に参加しやすくなる。

 米HP(エイチピー)は長期にわたりグローバルの教育市場を牽引してきており、また、パートナーである米Google(グーグル)や米Microsoft(マイクロソフト)などと密に連携しつつ多種多様なソリューションを展開している。「GIGA端末だけではなく、遠隔授業用システムやプリンターもそろっているベンダーは日本HPだけだ。教育現場のことを深く理解した上で開発しているため、学校課題の解決にコミットできている。こうした総合力で学校現場の教育ICTを支援していきたい」と、松本部長は強く語った。

リユースすることで世界をサステナブルに

HP PCリユースプログラム for GIGAは、HPのGIGA端末をご導入いただいた自治体様向けに、現在ご利用中のPC・タブレットを無料で引き取るプログラムです。
 

無料で回収、データ消去を行い、再生した上で、最適なリユース先をHPが選定します。再生できない端末は適切にリサイクルいたします(リース会社もしくはリース期間後に、自治体様に所有移転された端末も引き取り可能)。

HPはこのプログラムで修理・調整した再生品を開発途上国に販売提供します。環境負荷の低減を行うと共に、学びや就業機会の拡大を支援します。


※第1期GIGAで導入されたPCやタブレットで、当時、日本マイクロソフト社とグーグル社が推奨していたものであれば、メーカー・機種は問いません。アップル社のiPadも対象です。

 
GIGAスクール構想第2期 提案に関するアンケート
https://www.seminar-reg.jp/bcn/survey_hp5/
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外部リンク

日本HP=https://www.hp.com/jp