Special Issue
LayerX 経理の法令対応を自動化するコーポレートDX 紙資料をAI-OCRで処理して業務効率化
2024/02/15 09:00
週刊BCN 2024年02月12日vol.2002掲載
LayerXのセッション「コーポレートDXと法令対応の最前線~AIを活用した成功法とは~」のスピーカーを務めたのは、パートナーアライアンスグループ・パートナーサクセスマネージャーの山田恵理子氏だ。
DXとは、社会や企業をデジタル化すること。同時に、個々の業務をデジタル化によって全く別物に変えてしまうことをDXと呼んでもいい。
例えば、企業内で行われている業務をコア(利益の源泉)とノンコア(コア業務の支援)に分類すると、ノンコア業務のほうはシステム化の対象にしやすい。ある調査によれば、日本企業で行われている業務の56%は反復型のルーチンワーク。その67%以上(全体の約37.5%以上)は、技術的に自動化が可能だ。そうしたシステム化や自動化が変革と呼べる域に到達していれば、コーポレートDXの一つとみなしていい。
典型的なものが、経理業務だ。2023年にはインボイス制度が始まったほか、電子取引の電子保存義務化の宥恕期間も満了。その結果、適格請求書および即した領収書であるかどうかを判定したり、取引先の登録番号を国税庁のWebサイトで確認したりする作業が増えた。「当社の調べで、経理担当者1人当たり月間1~2日の“インボイス残業”が新たに生じることが分かった」と山田氏。国全体では、経理部門だけで毎月約1097億円、従業員の手間も含めると毎月約3413億円の“インボイス対応コスト”が増えると指摘した。
このように手間がかかる経理業務を自動化するためのソリューションとして、山田氏はLayerXの法人支出管理(BSM)SaaS「バクラク」シリーズを紹介。「企業取引の前段となる『稟議の統一』と『債権・債務の一元管理』を実現することによって、企業経営を加速させる」と説明した。
バクラクには六つのサービスがある。その中でも経理業務の自動化と工数削減に特に効くのが、「バクラク経費精算」と「バクラク請求書受取」の2サービス。どちらも紙のレシートや請求書をイメージスキャナやスマートフォンのカメラで画像として取り込み、1度に100件まで連続して自動入力と仕訳ができる仕組みになっている。日付、取引先名、登録番号、取引内容、金額、振込先口座などの読み取りには、自社開発のAI-OCRを活用。出来上がった仕訳データや振込データは、CSVファイルやAPIを介して会計ソフトやエレクトロニックバンキング(EB)に送り込まれていく。
バクラクシリーズの累計導入社数は8000社以上。山田氏は「販売パートナーも引き続き募集している」とアピールした。
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