Special Issue
週刊BCN 特別連載企画<第1回> DISのエキスパートに聞く 日本のIT利活用の実態は
2023/11/02 09:00
週刊BCN 2023年10月30日vol.1990掲載
新潟エリア
多様な産業を支えるデジタル 地域課題の解決へ提案進める
拠点エリア 信越エリア拠点データ 新潟支店
住所:新潟県新潟市中央区万代1-1-1(朝日生命新潟ビル6F)
電話番号:025-240-0161
新潟県といえば、米どころとして非常に有名であり、おそらく多くの方が農業県のイメージを持っているのではないでしょうか。実はそれ以外にも盛んな産業が数多くあります。古くから産出される石油や天然ガス、豊富な水力に起因する電力、石灰石などを基礎としたさまざまな化学工業、石油掘削用機械や精密測定のニーズから生まれた部品製造・精密機械など多種多様です。このほか、江戸時代の和釘、キセル作りから発達した金属加工や建設業なども地域の経済を支えており金属加工のブランドとして根付いています。
そのような産業で最近、ITがどのように活用されているか見ていきましょう。製造業では生産性向上を目指して自動化やIoT、ロボティクスなどの部分でIT導入が徐々に広がっているようです。建設業ではMR(複合現実)技術を使い、現場の状況を遠隔地にいる複数人と共有できる仕組みを取り入れたり、金属加工において5Gを活用した職人技術の伝承といった取り組みを進めたりして、ビジネス成長や人材育成などに役立てています。
もちろん、農業分野でもITが浸透しつつあります。例えば、新潟市は大規模農業の改革拠点として国の国家戦略特区に認定されており、2020年に同市や関係省庁らが設立した同市革新的農業実証支援ワンストップセンターが、農業機械の自動運転やドローンによる農薬散布、農業IT機器の遠隔操作などの実証実験を支援するなど、農業のデジタル化に力を入れています。
このように幅広い分野で新潟エリアのIT活用は広がってきていますが、産業全般に言える課題があります。エリア内の各地で労働者や後継者の不足が挙げられており、長年にわたって培ってきた伝統や技術を誰にどのように継承していくかは各産業にとって悩みの種になっています。最新のテクノロジーによって生産性は向上されているといえますが、伝統や技術を継承していくためには、人の存在も重要だと実感しています。
姫路エリア
地元の資産を使った魅力発信に注力 IT活用は着実に進展
拠点エリア 関西エリア拠点データ 姫路支店
住所:兵庫県姫路市白銀町50(日本生命姫路ビル5F)
電話番号:079-288-6881
姫路市は、古くから播磨地方の中心として栄え、人口は神戸市に続いて県内2位となっています。地域を代表する見どころとしては、世界文化遺産と国宝になっている姫路城が非常に有名で、国内外から多くの観光客が訪れています。多くの方が姫路市と言えば姫路城を想像されるくらい印象の強い観光資源となっています。
2023年は姫路城の世界文化遺産登録30周年の節目となるため、姫路市としては、プロジェクションマッピングやAR(拡張現実)など、ITを活用した魅力の発信に力を入れています。地元の資産とITを掛け合わせ、活性化につなげようとしているのは、この地域ならではの特徴の一つで、非常に見応えのある内容になっています。
ここまで姫路城の話をしてきましたが、姫路市は、産業も活発です。特に臨海部には、鉄工や電気機械などの大手製造業が立地し、地域の経済を支える柱となっています。工程が生産性に大きく影響する製造業では、各社がクラウドやロボティクス、IoTなどの利用を考え、製造工程のデジタル化を目指しています。
姫路城を中心とした活動や製造業の効率化は先進的といえますが、先進技術を活用したDXについては、東京や大阪などの大都市などと比べると、まだこれからといったところです。ただ、そのような部分を改善しようと、自治体は独自の補助金を設け、各企業におけるIT製品やサービスの導入を後押ししており、地域全体で盛り上げていこうという強い思いをひしひしと感じています。
姫路市は、玄関口である姫路駅と姫路城を結ぶ道路がメインストリートになっており、IT活用による地域活性化はいい事例だといえます。姫路市には、ほかにも観光資源があるので、“姫路城モデル”を広げていくことによって、姫路市全体のIT活用がさらに進み、ひいてはエリア内の観光や産業の発展につながっていけばと期待しています。
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