Special Issue
LegalOn Technologies 日本に必要なリーガルテックとは 契約審査のDX化で攻めの業務を増やす
2023/08/24 09:00
週刊BCN 2023年08月21日vol.1981掲載
LegalOn Technologiesのセッションでは、執行役員CFOアライアンス責任者の大木晃氏が登壇。「日本の法務に必要なリーガルテックとは?~契約業務DXがもたらす効果について~」をテーマに講演した。
ITは、製造や販売に限らず、さまざまな業務を効率化してくれる。例えば、法務部門の効率化に役立つのが、リーガルテック(リーガル+テクノロジー)と呼ばれる種類の製品だ。大木氏によれば、法務部門がリーガルテックに期待を寄せているのは「法務に求められる機能が年々拡大している」ため。契約書審査や訴訟対応などの伝統的な業務に加えて、CLOとしての経営意思決定や官公庁との交渉も法務部門の所管になっているという。
それにもかかわらず、現状では法務担当者を採用・確保するのが難しく、少人数で大量の契約書を調べることによる審査品質の低下が懸念される。「今、法務部門にも働き方改革が求められている」と大木氏。ITを活用して契約書審査業務をDX化し、企業を成長に導く“攻め”の業務にあてられる時間を増やすべきだと説いた。
LegalOn Technologiesは、リーガルテックのスタートアップ企業として2017年に誕生した。10人を超える弁護士が在籍し、経験と知識を生かして「LegalForce(AI契約審査プラットフォーム)」と「LegalForceキャビネ(AI契約管理システム)」の2種類のサービスを提供している。
2種類のサービスのうち、契約書の作成と締結前審査を支援するのがLegalForceだ。契約書案のファイル(Word/PDF)をこのサービスにかけると、内蔵されているAI機能が契約書案の文面をチェックし、契約書のリスク把握を支援する。条文に存在する法的リスクだけでなく、“抜け”や“漏れ”の把握もサポートしてくれる。「条文修正アシスト機能」(現在はβ版のOSS)を使えば、「ChatGPT」を活用し、当該契約書の内容を一定程度反映した文案を表示することで、企業の法務担当者や法律事務所の専門家が修正文案の検討にかける労力や時間の軽減に貢献する。
また、LegalForceキャビネは締結後の契約書の管理を支援する。このサービスでは、PDF化された契約書の全文をテキスト化し、AIで解析した結果と合わせて内部の契約書DBに登録。法務担当者はキーワード検索や台帳のダウンロードができるほか、自動更新の期日が近付いたときにeメールで通知させることもできる。
「LegalForceを導入した企業の98%が審査時間の削減を実感している」と大木氏。その他の効果として、審査品質の平準化や審査スキルの向上を挙げた。
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