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法人市場で存在感を高める「AMD Ryzen PRO」、性能・省エネ・セキュリティ・コストパフォーマンスで優位

2023/03/16 09:00

 これまでゲーミング、コンシューマー向けのイメージが強かった日本AMDのCPUだが、法人市場において存在感を大きく高めている。日本を代表する製造業において数万台規模という一括導入や、中央官庁の多くでも導入が進む。その背景にあるのが競合と比較した性能、省エネ、独自のセキュリティ、コストパフォーマンスなどがある。そこで、ビジネスモバイル向けCPU「AMD RyzenTM PRO 6000 シリーズ・プロセッサー」を取り上げて、日本AMDのCPUの魅力を探っていく。

パフォーマンス、低消費電力、独自のセキュリティで競合への優位性を高める

 2022年4月に発表され、コア・アーキテクチャーに「Zen 3+」を採用するAMD Ryzen PRO 6000 シリーズ・プロセッサーは、製造プロセスをAMD Ryzen PRO 5000 シリーズ・プロセッサーの7nmから6nmに微細化するとともに、パワーマネジメント機能を強化、電力効率が大幅に向上している。グラフィックス機能も、GCNアーキテクチャーのVegaからRDNA2アーキテクチャーに変わるなど強化された。

 AMD Ryzen PROの性能向上は、競合製品への優位性も高めている。一般的なオフィスの生産性ワークロード(Microsoft Officeアプリ)について、AMD Ryzen 7 PRO 6800U搭載のPCとIntel Core i7-1255U搭載PCを比較したところ、パフォーマンスが同等でありながら消費電力がAMD Ryzen 7 PRO 6800Uで23%減。Microsoft Officeアプリ+Teamsでは、AMD Ryzen 7 PRO 6800Uがパフォーマンスで13%上回りながら消費電力も13%減という結果となった。

 また、Microsoft Teamsを使ったビデオ会議におけるバッテリ駆動時間をAMD Ryzen 7 PRO 6850Uの搭載PCとIntel Core i7-1260Pの搭載PCで比較すると、AMD Ryzen 7 PRO 6850U搭載PCは最大で45%長くなるという。また、AMD Ryzen 7 PRO 6800U搭載の「HP EliteBook 865 G9」では最大29時間もの動画再生を可能にする。
 

 「6nmの微細化アーキテクチャーを採用することでプロセッサーの面積当たりの処理パフォーマンスが大きく向上し、消費電力でも競合に対して高い優位性を発揮している。また、グラフィックス機能も高まったことで、Microsoft Office アプリ+Teamsのような画像を使うマルチタスク処理においては、さらにメリットが高い」と関根正人・コマーシャル営業本部セールスエンジニアリング担当マネージャーは語る。
 
関根正人
コマーシャル営業本部
セールスエンジニアリング担当マネージャー

 実際、パフォーマンスの優位性はPCの発熱というユーザーの使い勝手にも良い影響となって表れている。

 「AMD Ryzen 7 PRO 6800U搭載のPCは、Microsoft Officeアプリ+Teamsといった処理を続けていてもパームレストや膝の上が熱くならないので快適に使えるという声をユーザーから聞いている」と関根マネージャー。

 AMD Ryzen PRO 6000 シリーズ・プロセッサーのもう一つの強みは、強力な独自のセキュリティ機能にある。

 コロナ禍以降、自宅など社外で業務を行う機会が増加する一方、セキュリティの脅威も増した。従来のセキュリティ対策は、アプリケーションレベルやOSレベルでの対応が主だったが、最近のサイバー攻撃は、OSの下の階層にあるハードウェアにまで及び、ここを狙う攻撃も増えている。

 AMD Ryzen PRO 6000 シリーズ・プロセッサーは、マイクロソフトと共同開発したセキュリティプロセッサー「Pluton」をx86プロセッサーとしては唯一、採用する。これはハードウェアとソフトウェアの緊密な統合とWindows Updateによる最新の保護機能により、攻撃を排除する統合防御を提供するものだ。Plutonはもともと、AMDプロセッサーが搭載されていたマイクロソフトのXboxやAzure Sphere向けに開発されものであることから、AMDがいち早く対応できたという経緯がある。

 もう一つは、リアルタイムの完全なシステム・メモリー暗号化機能を備えたAMDメモリー・ガード。この機能により、PCが紛失または盗難した場合もデータの脆弱性に対する保護を提供する。

生産性とSDGsの観点からメーカーや官公庁でRyzen PROを大量に採用

 これまでAMD Ryzenを搭載するPCのユーザーは、ゲーミングや自作などヘビーなコンシューマーやパフォーマンスを求める研究機関での利用が中心というイメージがあった。しかし、現在では、一般の法人需要が急速な勢いで伸長しているという。

 「自動車や電機などで日本を代表するメーカーが続々とAMD Ryzen PRO搭載のPCを採用している。しかも、部分導入ではなく数万単位と全社レベルでの導入も多い。また、官公庁においても採用が進んでおり、中央官庁の半数近くで大量導入されている」と関根マネージャーは実績を誇る。

 こうした法人需要の急増の理由は、これまで解説してきた競合に対するパフォーマンスの優位性、およびコストパフォーマンスの高さがある。最近は、加えて電力効率、SDGsという観点からAMD Ryzen PRO搭載のPCを選択するケースが少なくないという。
大企業のように導入台数が増えれば増えるほど、電力効率の高さはより大きなものとなるためだ。

 AMD Ryzen 7 PRO 6800U搭載PCとIntel Core i7-1280P搭載PCの電力効率を5万台のPCで比較し、1日8時間、4年間使用したとすると、電力量で220万kw、CO2排出量は1580万トンもの削減になるとAMDでは試算している。
 

 レノボが昨年、AMD Ryzen PRO 6000 シリーズ・プロセッサーの登場に合わせて復活させた「ThinkPad Z」シリーズは、AMDと設計段階から協力して造り上げたモデル。次の30年を見据えた新シリーズと位置づけられ、パフォーマンスだけでなく、サステナビリティも考慮するユーザーに向けたプレミアムなどモデルとして高い注目を集めた。さらに、レノボが近く発売する法人向け新モデルは、7割程度がAMD Ryzen PROを採用するモデルになるとされる。

 「OEM先のPCメーカーの方々からは、AMD Ryzen PRO搭載のPCは、性能、電動効率、強固なセキュリティとアピールポイントが多く、とても売りやすいという評価されている。当社はもともと、今のPCの根本である64ビット命令セットを業界に先駆けて開発して競合にも提供してきた自負がある。今年中に国内の法人市場でも10%越えを狙う」と関根マネージャーは抱負を語る。

 
アンケートはこちら
https://www.seminar-reg.jp/bcn/survey_amd2/
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外部リンク

日本AMD=https://www.amd.com/ja/

「AMD Ryzen PRO 6000 シリーズ・プロセッサー」=https://www.amd.com/ja/partner/amd-ryzen-pro-6000-series-processors

藤井聡太 X AMD 「神の一手の裏側に」= https://fujiisota.amd-heroes.jp/