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サードウェーブ 秋葉原発「PCサブスクリプション」 いつでも最新仕様PCで仕事ができる 国産PCメーカーならではの自由な構成とカスタマイズに自信あり

2022/10/06 09:00

週刊BCN 2022年10月03日vol.1940掲載

 サードウェーブの法人向けサービスブランド「ドスパラプラス」は、PCを月額課金制のサービスとして提供する「PCサブスクリプション」を2021年12月にスタートした。いつでも最新仕様のPCを使いたいと望むユーザーの声に応えた。サブスクリプション型なので、契約から12カ月が経過すれば任意のタイミングで最新機種への入れ替えや解約が可能。構成の自由度が高く、サポートが充実していることも強みだ。今年10月には販売店経由の間接販売が始まる。
 
中村明宏
法人事業統括本部営業本部長


いつでも最新機種を使える魅力で
人気が高まるPCサブスクに参入

 「業務量や人員の変動が大きい業界では、PCサブスクリプションに対する期待が大きい」。こう語るのは、中村明宏・法人事業統括本部営業本部長だ。ビジネス向け/プロ向けブランド「THIRDWAVE Pro(サードウェーブ プロ)」では、一般的なノートPCに加えて、ゲーム業界・クリエーター業界・学術研究機関向けのGPU搭載高性能デスクトップPCに強みがある。

 同社がPCのサブスクリプション提供に踏み出すことになったきっかけは、20年からのコロナ禍だった。行動制限の期間が見通せない中での在宅勤務が始まったことによって、「期間を決めずに借りられるPC」(中村本部長)への問い合わせが増加。調べてみると、業務量や人員の変動が大きいシステム開発業・人材派遣業・コールセンター業などでも同じようなニーズがあると分かったのだという。

 そこで同社が21年12月にスタートしたのが、月額払い方式のPCサブスクリプションだ。貸し出しの対象としているのは、ノートPCとデスクトップPCの合わせて5機種(今年8月現在)。30台以上の契約を12カ月単位で更新していくのが基本のスタイルだ。

 ただし、台数については機器入れ替えや要員採用の時期に合わせて分納とすることも可能。契約台数の最終PCが導入された時点から12カ月が経過すると、ユーザーは任意のタイミングで最新機種に入れ替えたり解約したりできる。

 ユーザーにとって、買い取りではなくサブスクリプションでPCを調達することには三つの利点がある。

 まず、いつでも最新仕様のPCを利用できること。PCの世界では、技術の進歩につれて高性能・大容量の製品が安価になっていくので、1~2年後には同じ金額でもっと優れたPCを入手できる。しかし、買い取りの場合は法定耐用年数、リースやレンタルの場合は契約期間が定まっているので、契約期間満了前での解約は違約金が発生する。サブスクリプション方式なら、入れ替えの時期を柔軟に決められる。

 また、財務担当者にとってはPCをオフバランス化できることが利点になる。棚卸しなどの事務作業も不要となる。

 さらに、サブスクリプション方式でPCを導入することによってSDGsの目標12(つくる責任、つかう責任)もクリアできる。自社で入れ替えた場合、廃棄が問題になるが、PCサブスクリプションではデータ消去ソフトがバンドルされており、データ消去後、証明書も発行されるので、安心だ。

メーカーならではの自由な構成と
充実したサポートで拡販を目指す

 このようなサブスクリプション方式の共通の利点に加えて、サードウェーブのPCサブスクリプションには独自の強みも存在する。

 第1に、構成の自由度が高い。「当社は国産のPCメーカーであり、BTO(注文仕様生産)にも対応しているので、ユーザーのさまざまな要求に応えることができる」と中村本部長。標準5機種の中に自社のニーズに合うものがなければ他の機種を借りることができるし、デスクトップ型については高性能グラフィックカードなどを追加するカスタマイズに応じてもらえる。ソフトウェアに関しては、標準構成に含まれるWindows 11とスイートデータ消去のほか、Microsoft Officeやその他のアプリケーションを有償で組み込んだ状態で納入してもらうことも可能だ。

 第2に、保守とサポートの体制も手厚い。ハードウェアの故障などに対応する保守サービスの内容は、一般の買い取り契約の場合と同等のレベル。問い合わせは「ドスパラプラスライン」(24時間365日対応)で受け付け、交換が必要な場合は代替機を宅配便で先に送り出す先出センドバック方式で対応する仕組みだ。さらに、落とす、ぶつける、水に濡らすなどの事故による損傷や不具合のリスクに備えたいと望むユーザーには、有償のPC保険を別途紹介している。

 PCサブスクリプションをスタートして以来、すでに冒頭に挙げたシステム開発業・人材派遣業・コールセンター業などで採用が増えているという。その多くは、30~100台前後からスタートして、従来のリース機を入れ替えるタイミングで追加導入する進め方。PCサブスクリプションでの平均的な入れ替え間隔は2年だ。今後は最低契約台数を30台以下でも対応できるよう、調整中だ。

 市場の旺盛なニーズに応えるため、ドスパラプラスはPCサブスクリプションの間接販売を今年10月に開始する予定だ。間接販売の場合もキッティングと保守サポートは基本的に同社が行うが、付加価値をつけるために販売店が独自のキッティングや保守サポートをすることも可能だ。

 売り切りとPCサブスクリプションを車の両輪として育て上げ、消費者からも企業からも愛されるPCメーカーとして創業40周年を迎えたい――。この目標に向けて、サードウェーブはこれからも斬新で先進的なさまざまな取り組みにチャレンジしていく。
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外部リンク

サードウェーブ=http://info.twave.co.jp/index.html

Dospara Plus=https://dosparaplus.com/

Dospara Plus PCサブスクリプション=https://dosparaplus.com/service/pc_subscription/