Special Issue

AI inside デジタル人材によるビジネス高付加価値化 リスキリングとAI内製化によって可能に

2022/09/01 09:00

週刊BCN 2022年08月29日vol.1936掲載


 初日の特別講演では、AI insideの社長CEO兼CPOである渡久地択氏が登壇。「デジタル人材によるビジネス高付加価値化の実践方法~リスキリングとAI内製化による企業変革~」をテーマに講演を行った。

AI inside
代表取締役社長 CEO兼CPO
渡久地 択氏

 渡久地氏は、「日本の生産年齢人口は減り続けており、この先もずっと減少する。同時に、われわれの付加価値は消滅した」とショッキングな言葉で講演をスタートさせた。渡久地氏は、2004年からAIの研究開発に取り組み、取得した技術特許を基に同社を設立した人物だ。その真意は、消滅した従来の付加価値に代わる新しい価値をこれから生み出さなければならないということ。DXに熱い期待が寄せられているのもそのためだと指摘している。

 もっとも、DXにはさまざまな定義がある。渡久地氏は、エリック・ストルターマン教授(DXの提唱者)、ガートナー、経済産業省、UNDP(国連開発計画)のそれぞれによるDXの定義を紹介。

 その上で、「激変する外部環境を背景に企業が優位性を高め、それによって人々の生活をより良くしていくこと。そのためのデータとテクノロジー、ビジネス変革、組織変革の過程こそがDXだ」と整理した。

 ただ、経済産業省は30年時点でデジタル人材は79万人不足すると予測しており、デジタルの原動力となる電力は30年までに大幅に減らさなければならない。この二つの課題をどうやって克服し、ビジネスの付加価値を高めるか。そのためのヒントとして、渡久地氏はAI insideのビジネスモデルと取り組みを説明した。

 AI insideの主力商材は、17年11月リリースの文字認識AI搭載デジタルデータ化アプリケーション「DX Suite」。ユーザー数は年々増加中だ。このDX Suiteの成長は、「AI inside Cycle」と名付けられたビジネスプロセスのサイクルによってもたらされており、研究開発の成果となるAIインフラ(AI開発基盤、AI運用基盤、商取引基盤)はユーザーや外部の開発者にオープンに提供されている。

 また、AI開発を推進するためのAI人材育成プログラム「AI Growth Program」についてもAIインフラと同様に提供中。AI Growth Programには各フェーズに必要なスキルレベルが定義されており、ユーザー側で実践する際の参考になることだろう。「われわれは長期・短期のマスタープランを設定し、それを起点に動いている」と渡久地氏。このような取り組みによって新しい価値を生み出せると強調した。
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外部リンク

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