Special Issue
NTTテクノクロス クラウド構成の選び方 現実的なのはハイブリッド
2021/12/23 09:00
週刊BCN 2021年12月20日vol.1904掲載
NTTテクノクロスのセッションでは、ビジネスイノベーション事業部アシスタントマネージャーの石井博幸氏が登壇。「どんな構成がいいの?事例別クラウド構成の選び方のススメ」をテーマに講演した。
オンプレミスやプライベートクラウドで稼働していた業務システムをパブリッククラウドに移行しようとする動きは、依然として盛んだ。最近は、コロナ禍への対策として在宅勤務のために環境を整備したり、DXに向けてパブリッククラウドを業務に取り込んだりする企業も増えている。その際に注意すべきことを、石井氏は「パブリッククラウドを使う目的を事前に明確にする必要がある」と指摘。移行までの流れとポイントを示した。
目的の次に考えなければならないのが、何をどこまで移行するかということ。業務システム全てを移行するのが難しい場合は、目的に照らして重要なものから移行していくのがいいという。例えば、目的が在宅勤務のための環境整備なら、導入するべきなのはSaaS型コミュニケーションツールだ。
また、セキュリティ、障害時対応、運用コスト、導入コスト、拡張性のそれぞれについて、オンプレミス/プライベートクラウドとパブリッククラウドのどちらが得策かを検討することも重要だ。一般論として、セキュリティと障害時対応についてはオンプレミス/プライベートクラウドの方が有利であり、運用/導入コストと拡張性ではパブリッククラウドに分があるという。
具体的なシステム構成として石井氏が挙げたのは「パブリッククラウドへの完全移行」「オンブレミス/プライベートクラウドとパブリッククラウドの独立併用」「ハイブリッドクラウド」の3方式。完全移行は既存リソースがない場合はシンプルで良いが、運用リスクはユーザー企業が全て負うことになる。独立併用もシンプルで導入も容易だが、ユーザー認証の一元化、個人情報などを適切に分離した設計・運用といった一手間が発生する。
第3の方式「ハイブリッド」は、オンプレミス/プライベートクラウドのリソースとパブリッククラウドのリソースを統合できることがポイント。ユーザー認証を一元化できるのでセキュリティ管理が容易であり、将来的なシステム拡張もしやすい。「最も現実的な構成として、この方式をお客様に提案することが多い」と石井氏。目的や状況に応じて、最適な構成を選択してほしいと述べた。
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